『下流社会』を検定してみる2
同様に第6章のタイトル、「下流」の男性はひきこもり、女性は歌って踊る、についても検定をしてみましょう。
男性の階層意識と趣味との関係を示したp181のデータについて同様に分析した結果を示すと
AV機器 カイ二乗値=1.79
音楽コンサート鑑賞 カイ二乗値=2.4
テレビゲーム カイ二乗値=3.35
スポーツ観戦 カイ二乗値=2.63
パソコン・ネット カイ二乗値=5.32
となり、いずれも危険率5%では階層意識と関連があるとはいえないという結果となりました。ただしパソコン・ネットのみは危険率10%で帰無仮説を棄却できますので、危険率10%で階層意識と関連があるということができます。
p183の女性のデータも同様に分析すると
音楽コンサート鑑賞 カイ二乗値=3.28
楽器の演奏 カイ二乗値=1.11
絵画・イラスト制作 カイ二乗値=1.83
ダンス・舞踏 カイ二乗値=3.93
となりますので、いずれも危険率5%で階層意識と関連があるとはいえません。したがって、「下流」の男性はひきこもり、女性は歌って踊る、という命題は調査結果からは支持されないことが分かります。
そんなわけで、この本の中でイーファルコンの「欲求調査」に基づいて分析した部分(5章~7章の大半)は同様のサンプル数の調査結果に基づいた推定ですので、検定すると支持されないという結果になりそうです。ただじ、読売広告社の「女性1次調査」に基づいて分析してある部分もちらほらあって、この部分は十分なサンプル数があるので検定すると支持される結果が多いと思われます。
といっても多くは「欲求調査」に基づく結果ですので、この本の知見は確定したものではなく、今後の大サンプル調査による検証が必要な「予想」だと思って読んだ方がいいようです。
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