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2005年12月23日 (金)

新型インフルエンザの世界的大流行

>鳥インフルエンザのように従来の免疫(ワクチン)が効かないタイプのウイルスが、世界のどこかで突然変異やRNAの組み替えで強い感染力を獲得したするとパンデミック(世界的大流行)が発生する可能性が高い。インフルエンザの患者は感染後2日で他人に対する感染力を持つので、免疫のない新種の感染は急速に拡大する。パンデミック開始後30日以内に封じ込めることができなければ、世界に拡散することを防ぐのは難しいと見られている。 しかし、多くの国では新種ウイルスの感染確認に20日ほどの時間がかかっているため、30日以内に初期拡大を封じこめることはほとんど不可能である。

>世界的な流行が発生すると、何回かの波として各国に波及すると予想される。第1波がある国に到達してからその国の流行のピークに達するまで5週間ほどである。 ワクチンはウイルスを鶏卵に接種するという昔ながらの方法で作られているので、ウイルスの新種が分離されてから、相当量のワクチンの生産が始まるまで、半年ほどかかる。したがって、流行の波が到達してからワクチンの生産を開始しても間に合わない。

>パンデミックによる死亡者は1968年の香港かぜでは100万人、1957年のアジアかぜでは600万人、1918年のスペインかぜでは4000~5000万人だった。免疫のない新型インフルエンザの場合、人口の約半数が感染し、さらに半数が発症すると予想される。したがって、パンデミック発生時には人口の25%が発症すると予想される。このうち、何%が死亡するかは、ウイルスの致死性によるが、鳥インフルエンザウイルスをベースとした新種ウイルスの場合、肺炎や髄膜炎による死亡率は5%に達するとする見積もりもある。

>インフルエンザの治療薬として知られるタミフル(オセルタミビル)は、ウイルスが細胞から細胞に感染する際に使うノイラミニダーゼという蛋白質の作用を阻害する効果を持っている。したがって、この薬は感染してすぐ、ウイルスが体内の十分広がる前に使うと有効である。目安として感染後48時間以内がタミフルによる治療が有効な期間とされている。 インフルエンザの予防にはマスクより手洗いが有効である。ウイルスが付着したマスクを着用することで感染する場合があるからだ。

                     「新型インフルエンザの大流行に備える」 
                     日経サイエンス2006年1月号 p24-37 より要約

「鳥インフルエンザウイルスが、突然変異やRNAの組み替えで強い感染力を獲得」しないと世界的な大流行にはならないようです。しかし、そのような感染力を獲得するかしないか、獲得するとすればいつ獲得するかといった事柄は、適切な(?)「突然変異やRNAの組み替え」が世界のどこかで運悪く起こるかどうかに依存していますので、大流行が起こるかどうか、起こるとすればいつか、ということは「運しだい」ということのようです。

ただし、運悪く大流行が発生しかけた場合にそれを防ぐ手段はあまりないらしいことがこの論文では示唆されています。いつくるかわからない大災害に備えるという点で、地震への備えに似ていて、対策が後回しになりがちなようです。とりあえずは外出したら手を洗う習慣を早めにつけておいた方がいいかもしれません。

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