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2006年9月11日 (月)

人間の社会性の文化的・適応的基盤

北大のCOEで企画された上記のセミナーに行ってきました。協力やサンクションの進化や制度と文化の相互作用など盛り沢山の発表、講演が沢山あって非常に勉強になりました。麻生近辺は坂がきつくて移動が大変だということもよく分かりました。関係者の皆様、お疲れ様でした。

個人的にはサンクションについての実験的研究や理論的研究、分配ゲームの発達的研究、社会的性格の遺伝についての研究について話が聞けたのが収穫でした。

サンクションの進化を説明するには弱い群淘汰モデルがおそらく必要ですので、学習による獲得だけでは不十分で遺伝的な基盤を持つことが必要条件になるのですが、具体的にどの程度遺伝するものなのかが分かったのはありがたかったです。

双子の研究によると社会的な性格については比較的遺伝的な成分は少なく、家庭環境の影響が大きいようです。それでもある程度の遺伝的基盤はあるようですので「不完全な遺伝」を仮定する遺伝ダイナミクスモデルが使えそうなことが分かりました。

とはいえ子供が育つ家庭環境の影響も大きいため、それがどのように効くのか発達的な研究も必要な訳ですが、その点についても分配ゲームを用いた実験的研究が行われつつあるのが興味深かったです。それによると、小学生の低学年は自己中心的な戦略を選ぶものの、中学年から高学年にかけて互恵的な戦略をとるようになること、自閉症の子の場合は過度に規範的な行動をとるようになる傾向が見られることが示されていました。

小学生の中学年から高学年にかけて、自己利益と社会規範とをすり合わせるような形で行動形成がなされていくらしいことを示す結果で非常に興味深かったです。これらの知見にこれまでの協力の進化についての知見をつなぎあわせていく形でモデル作りをしていく事が、今後のモデル屋としての課題であることだなあと思った次第です。

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