中国鉄道大紀行 その60 泰山七千段

9月13日はシ博から道教の聖地・泰山(たいざん)に登り、さらに天津(てんしん)に向かいます。
7:02、シ博発。各駅停車の鈍行列車は珍しくガラガラでした。朝早いせいでしょうか。
「今に来るさ~」
関口さんの言うとおり、しばらくするとどんどん人が乗ってきていつも通り満員になりました。各駅停車は料金も安く、地元の人の生活の足になっているようです。お母さんに誕生日のお祝いを持っていく人、車内でギターの練習をする人‥
満員の車内でギターを弾く人ってあまり見ませんね、日本では。周りの人も特に苦情をいうでなく、聞いてたようです。弾き初めて2ヶ月だそうですが、結構上手でした。
ススキ混じりの畑作地域を列車はゆっくり走ります。180kmの道程を6時間ほどかけるそうですから時速30kmぐらい。本当に鈍行列車ですね。
12:45、泰山駅。4時間ほどの乗換え時間に、道教の聖地五岳で最も尊いとされる泰山に登ります。人間の寿命を記録した台帳があるとされたり、歴代皇帝が天下統一を天に報告する「封禅の儀式」が行なわれたりする山としても知られています。
標高は1545mで歩いて登ることもできますが、時間がないのでバスとロープウェイを乗り継ぐことになりました。
「実は俺、乗るの怖いんだよね。ロープウェイ」
「何度も乗ってるけど‥」
ロープウェイが怖いという人は時々いますが、旅番組のレポーターが怖いのはちょっと困りますねえ。
「怖くなってきた‥」
「こえ~~!怖い~!!」
泰山の山あいに、関口さんの叫び声がこだましました。
15分でロープウェイ終着、南天門着。天国の玄関で、入ったら仙人になるとも言われています。
「涼しいぞ、ここ~」
「景色も涼しい~」
少し元気になった関口さん、山頂近くの道教寺院を目指します。やがて、下から歩いて登ってくる石段に合流しました。遥か谷底まで石段が続いています。その数、なんと7000段!!
鉢巻きして手ぶらでよたよた登って来る人、リュックをしょって両手を石段につきながら登ってくる人、カメラで写真とりながら休み休み登ってくる人‥。金比羅山で1300段余りを1時間かけて登ったときも相当こたえましたが、その5倍の石段は想像を絶します。
「ずっと登ってきたの?」
《泰山 全家平安》と書いた赤い鉢巻きした人にきいてみると
「そう。腰が折れそうだよ」
そういうなり石段に座りこんでしましました。5時間半かかったそうです。確かにそれぐらいかかるでしょうね。
「シンクー!(お疲れ様!)」
登山の目的を尋ねると、仕事が忙しくてようやく休みとれたのでリラックスしに来たとのこと。腰が折れそうなほど石段を登っててリラックスもないような気がしますが
「体は疲れないけど、頭は疲れないからね」
普段は頭脳労働してらっしゃるのでしょう。いやいやお疲れ様です。存分に気分転換して下さい!
関口さんも石段を登ったり降りたりして寺院を目指しますが、結局時間切れで引き返すことに‥
「うそ~!こんな所まで登ってきたのにさ~!」
これは別の意味でシンクー(お疲れ様)です。前半、鈍行できたのが響いてますね。
16:46、泰山発。硬臥寝台に寝転がって天津を目指します。冷房のない車内では上半身脱いで窓を開けて涼む人も。関口さんもグロッキー気味です。
「さっきは涼しかったんだが‥」
天津まで6時間、350km余り。本当にシンクー!(お疲れ様!)
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