中国鉄道大紀行 その68 長城遠望

9月25日は沙城(さじょう)から万里の長城にほど近い昌平(しょうへい)、懐柔北(かいじゅうきた)を経て赤峰(せきほう)に向かう夜行列車に乗ります。
雲崗の石窟を過ぎると馴染みのない地名が次々に出て来ますね。北京の近辺なんですけど、いかにこの辺を知らないかよく分かります。
沙城は人口20万ほどの小さな街で、Googleで検索すると葡萄网とか葡萄酒といった言葉がでてきました。葡萄の産地のようで、駅近くでも葡萄を満載したトラックを見掛けます。
「うちの庭で葡萄が食べられますよ」
関口さん、トラックの持ち主に声をかけられてご馳走になりにいきました。
マスカットみたいな透明感のある緑の大粒の実がたわわにみのっています。馬乳子(マナエツ)という高級品種です。ウルムチとかカシュガルといった西域の特産品なのですが、大消費地・北京の需要を当て込んでこのあたりでも栽培されているのでしょう。
「うま〜〜!」
もぎたてを頂いた関口さん、目を白黒させてました。美味しそうです。うちの中も案内してもらいましたが、大型のテレビとか豪華な結婚アルバムとかもあって、葡萄の威力が伺われました。
13:07、沙城発。北京市内の昌平に向かいます。北京近辺はさすがに鉄道網が発達していて、一筆書きにするとくねくねといったりきたりすることになります。北京に接近するのは、天津、豊台について3回目で北京市内に入るのも2回目。でも、北京駅につくのはもう一度遠回りして6日後になります。
昌平が近付くと列車の左手に万里の長城が見えてきました。尾根に沿って登り下りし、所々に櫓のあるお馴染みの風景です。鉄道から見える所もあるのですね。野を越え山を越え総延長6800kmに及ぶ巨大建造物です。
騎馬民族からの防御ラインですから、野を越えて作る必要性は分かりますが、山を越えて尾根沿いに張り巡らす必要性はいまいち分かりません。山越えで騎馬隊が攻めてくる可能性は少なそうですが‥。なんとなく惰性で作ったのかなあという気もしますが、その割には気合いが入った建造物ですね。
16:17、昌平で乗換えてまた北京から離れて行きます。学校帰りの中学生が国語の宿題をしてました。関口さんがのぞきこむと
「これ読める?」
と聞かれてしまいました。まるで分かりません。仕方がないので日本語の挨拶を教えるとお礼に月餅(げっぺい)を分けてくれました。今日は中秋の名月です。「うーさぎ、うさぎ、何見て跳ねる」を中国語に訳してもらって中学生たちと一緒に歌いました。楽しい中秋の名月ですね。
19:12、懐柔北着。中学生たちともお別れです。「気をつけて!」っと手を振ってくれました。2時間足らずの出会いなんですけどね。ありがたいものです。21:27懐柔北発。今日は硬臥寝台でおやすみです。
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