中国鉄道大紀行 その69 モンゴルの歌声

9月26日は夜行でついた赤峰(せきほう)駅をすぐ出発し、化石の街・葉柏寿(ようはくじゅ)を経て、北京への折り返し地点・新立屯(しんりっとん)に至ります。
8:36、赤峰発。人口455万人、内モンゴル自治区南東部の主要都市です。千年余り前、契丹(きったん)族の耶律阿保機(やりつあほき)が遼(りょう)を建国した土地だそうで、そう聞くと世界史履修者には親近感がわきます。その後、遼が滅ぶとモンゴル族が進出し、今でも人口の6分の1はモンゴル族なのだとか。
珍しく空いた列車は広々した内モンゴル平原を東に向かいます。茶色く実ったトウモロコシ畑を、犂を引いた牛が耕してました。彼方には山脈が薄青く霞んでいます。
関口さんが絵日記を書いていると、隣りから鼻歌が聞こえてきました。モンゴル族の青年がハミングしています。「上手ですね」と声をかけると、モンゴルの歌を聞かせてくれることになりました。
「どういう歌がいいですか?」
「メロディの美しい奴」
関口さんがリクエストすると、「美しい草原は我が家」という曲をチョイスしてくれました。
♪美しい草原は我が家
♪風薫り草青く天地肥ゆる
♪蝶が舞い鳥たちが鳴く
♪碧水は銀色に輝き
♪駿馬は白い雲
♪牛と羊は真珠を散りばめたよう‥
本当に美しい歌詞ですね。伸びやかなよく通る声は草原の彼方まで響いていきそうです。とても列車の中とは思えません。
♪あ〜羊飼いの娘が歌い
♪その声は天まで届く〜〜!
「ほら〜やっぱりうまい人だった!」
「いぇ〜パチパチパチ!」
お見事です。他の座席の人からも拍手がわきました。モンゴルの人の草原や馬や家畜に対する愛着や誇りを感じさせる歌声が素晴らしかったです。
11:09、葉柏寿着。ここは遼よりもさらに時代を逆上ること1億数千万年、ジュラ紀や白亜紀の化石で知られる街です。恐竜の化石やシソチョウより前の鳥類の化石もここで発見されています。
《化石 大吉 名札》
と書かれた店を訪ねると、亀やトカゲや魚の化石が色々売られていました。中には、魚の化石を含んだ岩を「福」の形に切り出したものも‥。魚は縁起がいいアイテムらしいので、その辺が「名札 大吉 化石」なのでしょう。
春秋戦国時代の兜、なんてものも売られていて関口さん、例によってかぶってました。160万円の品らしいんですけどね。三国志の漫画に出てきそうな兜で、なかなか似合ってました。「案外軽い」そうですから、青銅製なのでしょう。
CDショップで「中国民歌盛衰」なんてCDを7元(110円)で買って15:00、葉柏寿発。モンゴルの歌を聞いて、音楽魂が目覚めたのでしょうか。これからの道中、新しい作品が生まれるかもしれませんね。
| 固定リンク

コメント