中国鉄道大紀行 その77 吉林の紅葉

梅河口(ばいかこう)で中継をした後、関口さんは旅の中休みで1週間、日本に帰っていました。春の旅では武夷山(ぶいさん)のあたりでバテバテになってドクターストップ寸前だったといいますから、秋の旅ではあらかじめ中休みが設定してあったのでした。
旅の再開は10月15日。この日は梅河口から北上して吉林(きつりん)、長春(ちょうしゅん)、大安北(だいあんきた)まで目一杯まわります。
6:53、梅河口発。気温は0℃。関口さん厚着して寒そうです。北緯42度といいますから、旭川と同じくらいの緯度ですね。冬場は−30℃くらいまで下がるのだとか。
朝霧が川面から立上がり、朝日がオレンジ色に霞んできれいです。水温より気温が下がるときの現象で冬近しって感じがします。もっと気温が下がると霧がダイアモンドになったりするのでしょう。
10:15、吉林着。
「さみ〜、やっぱさみ〜!」
暖房の効いた列車から降りた関口さん、やっぱり寒そうです。人口198万人、名前の通り以前は吉林省の省都だったのですが、のちに交通の便のよい長春に省都が移りました。
吉林の郊外に松花湖(しょうかこ)という湖があります。1940年と言いますから満州国の時代、松花江に水力発電所を作ったときにできた細長いダム湖です。全長200kmで今はスキー、スケートなどウィンタースポーツのメッカとなっています。ここに関口さんは紅葉を見にでかけました。
ザクザク、落ち葉を踏んで湖畔にでると小さな遊覧船が泊まっています。
「ニーハオ、乗っていいですか?」
「山の方に行くかい?」
船で山に行くというのも妙ですが、くねくねと山あいを溯ろうということでしょう。
「とにかく、紅葉の綺麗な所がいいな」
ザザザザ、老龍門のモーターボートよりよほど穏やかな船です。
「水面キラキラ、綺麗だねえ」
澄んだ青空に紅葉が映えます。周りの山々はブナ科の落葉樹に覆われ、ちょうど全山が紅葉の盛りでした。
「久々に素直に紅葉にあった感じ‥」
日本の乗りつくし旅のときは、紅葉が遅くてなかなか綺麗な紅葉に巡り会えませんでしたが、今回はスケールの大きな紅葉を楽しむことができました。
13:00、吉林発。今度は稲作地帯を西に向かいます。ここも稲刈りはすっかりすんで、広大な田んぼに点々と藁の山が積まれていました。田園風景とは別に、車内には化粧品を山程鞄につめた綺麗なお姉さんの姿も。大都市を結ぶ路線だけあります。ほどなく、14:38長春着。
「また、大都会だねえ」
吉林省の省都で人口724万は瀋陽といい勝負です。私にとっては気象通報でお馴染みの街ですが、満州国時代には首都新京が置かれていた所でもあります。
コーヒーを飲みに、とある高層ホテルを訪れた関口さん、日本の自動車メーカーの駐在員のご家族に出会いました。そのホテルにお住まいだそうです。費用は会社持ちなのでしょうが優雅ですねえ。
ホテルの部屋をお邪魔した所、部屋が3つぐらいあってマンションみたいです。
「別世界なんですけど〜」
5月からこちらにいらっしゃるそうで、こちらの暮らしを楽しんでらっしゃるようでした。
「せっかくきたんやから、新しいこと前向きにね。中国語も覚えな」
関西弁ですので、大阪あたりの方でしょうか。これから寒くなるので、お体に気をつけておすごし下さい。
17:32長春発。さらに北に進みます。時刻は出なかったのですが深夜になって、稚内と同じぐらいの緯度の大安北につきました。一段と寒そうです。復帰早々の長旅お疲れ様でした!
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