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2007年12月 5日 (水)

中国鉄道大紀行 その94 最果ての長城

中国鉄道大紀行 その94 最果ての長城
中国鉄道大紀行 その94 最果ての長城
11月7日は嘉峪関(かよくかん)で長城の西端を見学します。

4:42、張掖(ちょうえき)発。まだ暗い中を出発します。東の空が朝焼けに染まるとすぐに、7:44嘉峪関着。今日はたっぷり長城をみることができます。

ここは明の時代につくられた万里の長城の西の端がある所です。10月2日に東の果て山海関をモーターボートから眺めてから1ヶ月余り、ついに西の果てまでやって来ました。

ザッザッザッザッと関口さん、長城に沿って歩いていきます。長年の風雨で削られて、城壁は半ば崩れかかってました。草の生えた地道も年期が入っていそうです。

 「つか、こんな辺鄙な所にあるのか」

有名な地点ですから、何か交通機関があってもよさそうですが、ひとけのない細い道をひたすら歩きます。

 「まさか、旅の残り2週間になって、万里の長城に会うとはね…。長い事だわ」

 「俺も長城もご苦労さん!」

山海関からここまで6000km続いてるのかと思うと、本当に長いですね。そしてついに長城の果てに着きました。

乾燥地帯には珍しく河が流れ、大きな渓谷を作っています。長城はその渓谷に突き当たり、そこで終わっていました。眼下には100mくらいありそうな断崖。ここを迂回して騎馬隊が攻め込んでくることは至難ですから、長城がここで終わっているのも不思議ではありません。

 「人工的な壁だと思っていたけど、最後は自然の壁で終わってるのね」

 「人間もすげーけど、自然もすげー!」

この光景は渓谷を挟んだ反対側にある展望所から眺めることができます。ガラスの扉を開けると、ちゃんと柵のついた展望所があって、その下が断崖絶壁。柵がないと超スリル満点なことでしょう。

長城の先端には何やら建造物の跡が見えますが、これが「天下第一烽火台」。敵の来襲を知らせる狼煙(のろし)をあげる施設です。「第一」というのは、ここから順に第二、第三‥と烽火台が続いていること、いいかえればここが長城の出発点であることを示しています。最前線で守備にあたる人たちにとって、ここは長城の「果て」ではなく、長城の「始まり」だったのでしょう。

烽火台からの情報は守備隊の本拠に伝達されます。この本拠こそが「嘉峪関の関所」。もちろん単なる関所ではなく、周囲700mの城壁に囲まれた要塞です。これが「天下第一の関」で河西回廊の喉元を押さえます。

断崖の烽火台から7kmほどありますが、関口さん、関所の方にも行ってみました。こちらは国が修復を行い、威風堂々とした姿を見ることができます。

 「あらら〜」

堅固の城壁の所々に大きな鐘楼が築かれ、さっきの崩れかけた長城とはえらい違いです。さらに東方には、龍のごとく延々と横たわる長城の姿が‥。こちらの方は地元の人がボランティアで修復に当たっているそうです。

東の方の長城は、私財を投じて修復に当たってらっしゃる、楊永福さんに案内してもらいました。子供の頃から近くに住んでいて、荒れる一方だった長城をなんとかしたいと思っていたそうです。これまでに修復できた長さは11km。

 「崩れた所を元どおりに修復するんだ」

大変な作業ですね。ただ、せっかく修復しても強風や砂嵐にあうとまた崩れていってしまいます。そこで楊さんは、長城を守るために防風林の植林も同時に進めてらっしゃるのだそうです。

植林のために祁連(きれん)山脈から引いたという水路に案内してもらいました。石組みの水路を清冽な水が滔々と流れています。関口さん、思わず一口‥

 「いやあー冷てー!!」

 「冷たくて、うまい!!」

さらに関口さん、頭から水をかぶり始めました。

 「ひえ〜〜! ひえ〜〜!」

 「ここでこうなるとは思わなかったなあ〜」

本当に水の好きな人ですね。楊さんもビックリしながら、ニコニコしてらっしゃいました。

この水が柳の並木を育て、柳並木が修復した長城を守ることになります。聞かなければ、水と長城に関係があるとは気がつきませんが、物事にはいろんな所でつながりがあるもんです。

 「砂漠に木を育てるのは、子供を養うのと同じくらい難しいんだ」

長城の修復だけでなく、自力で緑化まで手掛けるとは凄い方です。

 「偉い!おじさんは偉い!」

 「凄いな。尊敬するよ!」

全く同感ですね。実り多い、嘉峪関の旅でした。

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