中国鉄道大紀行 その96 敦煌散策
週末、敦煌からの中継のあと、11月11日は柳園(りゅうえん)からトルファンへ移動します。面白かった旅もいよいよ最終コーナーです。
生中継では、関口さんは鳴沙山の北麓にある月牙泉を訪ねました。シルクロードの昔から絶えることなく湧き続けているという、神秘的な泉ですが、近年は水量が大幅に減っているとのこと。地下水汲み上げの影響でしょうね。特別の許可を得たとのことで、関口さん中に入れてもらって水をすくって飲んでました。今でもそのまま飲める所に少しビックリ。冷たくて美味しそうでした。
その後、しばし敦煌の街中散策です。置物、古着、木彫り、アンズやナッツやグレープなどのドライフルーツ。フリーマーケットみたいに店先に品物を並べて色々売ってます。
「細かいなあ〜!」
関口さんが、木彫りのお店で手の込んだ細工物に関心してると、「やってみないか」と誘われてしまいました。
「俺が?」とか言ってましたが、木刀を持って砂漠をラクダが行くシーンを彫り上げていきます。影の回りには細かく点々と彫りを入れて、砂が光に煌めくさまを‥。さすがですねえ。
仕上げは店の人に任せて散策の続きでました。お昼ご飯は、鳥のひき肉入りワンタンです。
「なんか美味しそうだな」
ひき肉を包んだワンタンにとろみのあるあんがかかっています。
「うま〜。やっぱり、うまい!」
「マーラーメンとっていいですか?」
関口さん、向かいの店で見掛けたマーラーメンを注文していいかききました。あんまり普通ではないリクエストですが、「いいよ」ということで辛味のあるラーメンが出前されてきました。
「店の往来ができるのが嬉しいな」
マーボー豆腐の「マー」で辛そうですが、なかなか美味しそうでした。
木彫りの店で美しく仕上がったレリーフを受け取って、そろそろ出発です。20:47柳園発。夜行列車でトルファンに向かいます。といっても、寝台ではなく軟座の車両。ウイグル族のお兄さんたちに帽子を見せてもらって、歌を聞かせてもらいました。
帽子はインドネシアの人がかぶってるような丸い縁なし帽です。鞄に入るので、いろんなデザインのを持ちあるいて気分によってかぶるようです。
「これをかぶると良くものが売れるんだ」
という緑の刺繍のついた帽子を関口さんもかぶってみました。でも、も一つしっくり来ません。ウイグル族の彫りの深い小顔にやっぱり合う帽子ですね。
関口さん、例によって一曲所望して歌ってもらいました。哀愁を帯びた歌声です。
♪お母さん、あなたと別れて
♪私の顔は青ざめています
♪まま母との暮らしは涙が流れる
♪ご飯かと思ったらおかゆだった
♪ナンが出て来たら焦げていた
♪ああ、お母さんはもういない‥
母親が離婚した歌なのだそうです。正直「なんちゅう歌じゃ」と思いながら聞いてましたが、そういう辛い体験をする(した)人が多かったということなんでしょうかね。歌ってくれたお兄さんは、陽気で男前だったので意外性がありました。一曲所望して、こういう歌が出て来る背景に興味が湧きます。
「なんとも言えない雰囲気があるんだよね」
「こういうの大好き」
旅も最終盤に入って中央アジアの雰囲気が色濃くなってきました。5:08トルファン着。ここでは何が待っているのでしょう。
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