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2007年12月10日 (月)

中国鉄道大紀行 その97 トルファン美人

中国鉄道大紀行 その97 トルファン美人
11月12日はトルファン近郊を回ってから、ホーチンに向かいます。一筆書きの旅なので、ウルムチにはいかないようですね。

トルファンは標高が海面より低い不思議な土地です。人口24万人の市街地が標高マイナス20m、一番低い所は湖(アイディン湖)になっていて標高マイナス154m。当然、ここから流れ出す川はなくて、流れ込んだ水はすべて蒸発して、お空に飛んでいきます。夏場は50℃を越える乾燥地帯ならではの地形ですね。中学の頃、地図でこの海面下の盆地を発見したときに、どういう所なんだろうとあれこれ考えたことをおもいだしました。

関口さん、まずはトルファン近郊の火焔山を訪問。西遊記で三蔵法師の前に立ちはだかったとされる火の山の舞台です。ゴツゴツした赤い岩肌には草一本生えてなくて、火星かどこか地球ばなれした風景でした。夏には猛烈な暑さに陽炎が揺らめいて、まさに火の山になるそうですが‥

 「火焔なのに寒いよ〜」

冬場は冷気が盆地にたまって、氷点下30℃にもなるそうです。いずれにしても厳しい環境ですね。

それでも日差しはたっぷりあるので、水さえあれば作物はそだちます。そんな訳で、天山山脈から地下の水路(カレーズ、あるいはカナート)ではるばる水を引いて葡萄を栽培するのがトルファンでは昔から盛んでした。葡萄村という地域では一面、葡萄畑で夏場は緑したたる葡萄棚が涼しい木陰を作ってくれます。関口さんもとある葡萄農家を訪ねましたが、今はすっかり葉も落ちて冬仕度の最中でした。

 「こんにちは。どういう作業をしてるんですか」

 「凍らないように土の中に埋めてるんだよ」

葡萄のツルを棚から外して春がくるまで埋めておくのだそうです。スコップで黙々と。環境の厳しさに適応するには手間がかかるものですね。

道端で山羊を引いていたおばさんに声をかけると、いきなり手綱を渡されてしまいました。歩き回る山羊に引かれて通りをうろうろ‥。茶色の日干しレンガでできた家並みが続いています。しばらくして飼い主が帰ってきて家に招いてくれました。何か支度をしてたんでしょうかね。

日干しレンガの入口を入ると中庭になっていて、葡萄が干してあります。左手が住居です。干し葡萄を一粒頂きました。

 「ひえ~~。甘~~い!」

 「すげ~うまい~!」

緑のマスカットみたいな干し葡萄、なかなか美味しそうで、2粒、3粒頂いてました。さらに娘さんが焼いたというクッキーもご馳走になります。大きくて美味しそうです。この干し葡萄とクッキーを販売して生計を立てているのだそうです。美味しそうではありますが、それだけでは生活するのは苦しいでしょうね。

「20才です」という娘さんは、今年看護学校の試験を受けたけど、通らなかったそうです。

 「お金払えば入学できる所はあるけど、うちは貧乏だから‥」

公立と私立の看護学校があるのでしょうかね。高い授業料を払いながら学校へいくのは、こういう土地の人には難しそうです。

 「来年の夏にもう一度受けます」

ということですので、是非頑張って欲しいものです。

そのあと、お母さんの知り合いの家にも案内してもらいました。

 「パーティみたい」

 「ピャオリャン(綺麗)な人いっぱいいるよ」

テーブルに一杯料理が並んで、赤や金の飾りが綺麗に飾りつけられています。結婚した娘さんたちが初めて里帰りしてお祝いをしている所でした。

 「楽園みたいになっちゃった」

こうしてピャオリャン姉妹の真ん中に座って、お茶やお菓子を勧められているときです。

 「列車の出発時間だよ」

とスタッフから声がかかりました。

 「えっ!!」

 「出た。良くなってくると、メイヨーシーチェー(時間がない)」

慌ててお母さんや娘さんたちに挨拶して、お別れです。ご馳走も食べ損ねてしまいました。残念!

まあ、どこまで演出なのか分かりませんが、ギリギリに列車に駆け込んでましたから、相当行き当たりばったりに旅行してるようではあります。行き先は綿密に決まってるのでしょうけど、そこで何が起こるかは、行ってみてのお楽しみということなのでしょう。

14:11、トルファン発。軟臥の車両でさらに西に向かいます。途中駅で機関車を増結し、機関車を2台連ねる重連にします。天山山脈越えの準備です。海面下のトルファンから、標高2980mまで一気に上るそうですから半端じゃありません。上るに連れて、雪を頂いた天山の山並みが見えてきました。これまた絶景ですねえ。いつか行ってみたいものです。

21:18、ホーチン着。今日もお疲れ様でした。

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