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2009年2月 4日 (水)

確率的意思決定モデル3 簡単な定式化

「高いけれども美味しい」A店と「安いけれどもまずい」B店からランチの行き先を選ぶ場合について、簡単な定式化を試みてみましょう。

この二つを比較検討して行き先を決めるわけですが、例えばA店について考えたときに「あそこは美味しい」という印象が強く思い浮かぶ場合と、「あそこは高い」という印象が強く思い浮かぶ場合では、前者の方がA店が選ばれやすくなるでしょう。同様にB店については「あそこは安い」という印象が強い場合と「あそこはまずい」という印象が強い場合では、前者の方がB店が選ばれやすくなるでしょう。

そこでA店について考えたときに、「美味しい」という印象の方が強く思い浮かぶ確率をp、「高い」という印象の方が強く思い浮かぶ確率を1−pとすることにします。一方、B店について考えたときに「安い」という印象の方が強く思い浮かぶ確率をq、「まずい」という印象の方が強く思い浮かぶ確率を1−qとすることにしましょう。そうすると

 1 確率pqで「Aは美味しくて、Bは安い」
 2 確率p(1−q)で「Aは美味しくてBはまずい」
 3 確率(1−p)qで「Aは高くてBは安い」
 4 確率(1−p)(1−q)で「Aは高くてBはまずい」

という印象がそれぞれ強く持たれることになります。

このうち2のケースではAが選択され、3のケースではBが選択されることになるでしょう。これは各選択肢の良い面と悪い面がそれぞれ思い浮かんだ場合に相当します。

1のケースは各選択肢の良い面が思い浮かんだ場合になりますが、これは竜虎相打つ状態でさしあたり同点です。この場合は価格や味以外の属性について検討が行われて選択が行われると考えられますが、その結果がどうなるかは今モデル化した要因からでは分かりません。ここではザックリと確率1/2でAかBかどちらかが選ばれるものと仮定することにしましょう。4のどちらも悪い面が思い浮かぶ丙丁つけがたいケースも同様に、確率1/2でどちらかが選ばれるものとします。

そうすると例えばA店が選ばれる確率は

 p(1−q)+pq/2+(1−p)(1−q)/2

となることが分かります。ばらして整理すると

 (1+p−q)/2

あるいは

 (p+1−q)/2

という簡単な式が得られます。これより、上のモデルでA店が選ばれる確率は、A店について「美味しい」という印象が強く持たれる確率pとB店について「まずい」と印象が強く持たれる確率(1−q)を足して2で割った値となることが分かります。

多少一般化していうと、自店について良い印象が持たれる確率と、ライバル店について悪い印象が持たれる確率の平均が自店が選ばれる確率ということになりますね。もちろん、これは2店しか選択肢がない単純化したモデルですが、それでも自店について良い印象を持たれるように(悪い印象は持たれないように)PRすることの重要性と、ライバル店の悪い面を印象づけるネガティブキャンペーンの有効性を示すモデルになっているとはいえるでしょう。

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