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2009年2月13日 (金)

「公共性」論 6、7章

第6章が「環境管理型権力と全体主義」、第7章が「例外状態」という章です。<賢い>支配者と他律型リベラリストの組み合わせについて評価するセクションのはずですが、「全体主義」や「忘却の穴」「例外状態」といった概念の導入と思考実験が主な内容で実質的な議論はあまり進んでいません。ちょっと引っ張りすぎかなという気がしてきました。

<賢い>支配者と他律的リベラリストの従事する市場経済は、主として支配者が十分に賢明であれば負の外部性をもたらさず、失業や容認しがたい格差もないまま、技術革新を原動力として経済成長を続けることが理論的には可能です。この負の外部性をもたらさない市場経済は道徳的に悪いということができるか、というのがこの2章で提起されている問題で、回答は次章以降に保留されています。

現実の市場経済が大きな負の外部性や失業や格差をもたらしているときに、このような思考実験を行うことにどのような意義があるのか、よくわからなかったりはしますが、この本が書かれた2008年2月の時点では、高度消費社会のもたらす島宇宙化の方がよりリアリティのある問題であったということかもしれません。

「よき全体主義」や「忘却の穴」「例外状態」というキーワードっぽい言葉も登場するのですが、あとの議論にどの程度効いてくるのかよくわからないので、これらの言葉は後ほど必要であれば紹介したいと思います。

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