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2010年5月 7日 (金)

ガリ版刷り

[ゲゲゲの女房 34話]

少年戦記の会の会報を布美枝がガリ版で刷るシーンが出てきました。最近はすっかり見なくなりましたが、まだ使えるのが残ってるんですね、ガリ版刷り。

小学校や中学校の頃まではガリ版で印刷していた記憶があります。蝋を敷いたガリ版の原紙に鉄筆(筆先が鉄で出来てて、蝋を削りとる道具)で字とか絵とかを書いていくのですが、やり直しがきかないのでずいぶん緊張しながら書いたものです。

それを枠に張り付けてインクを塗ったローラーを1、2回往復させると蝋を削った部分からインクが紙の上に印刷できるという按配です。インクを均等にローラーにつけないと印刷に濃淡ができますし、一回で薄ければもう一往復させるのですが、枠が少しでもずれると2重に写るし‥でなかなか熟練が必要です。布美枝がしげるさんに「手先が器用だ」と褒められてたのは、その辺の手際が良かったのでしょう。

一枚刷ってはわら半紙を取り替えて、また刷ってはわら半紙を‥という繰り返しですから枚数するのも大変です。インクが乾くまでに重ねると裏に映ってしまいますし、触ると手が真っ黒になるし。でもわら半紙を輪転機に入れるとすぐ詰まるので、そういう意味では優秀な印刷法でしたね。

大学に入るころ(1980年代)には「ボールペン原紙」というのを使って印刷をするようになってました。ボールペン原紙も今はなくなってしまったでしょうね。緑色のちょっと変な臭いのする薄く蝋を引いた紙で、鉄筆の代わりにボールペンで字や絵を書くことができました。間違うと修正液という緑色の液体を塗ると一度くらいはやり直せたので、その点は楽になりました。うちの合唱団ではそれを輪転機に張り付けて手回しで印刷してましたね。機関誌やら団員名簿やら大量の印刷物を「がりスト」「刷りスト」「綴じスト」などの仕事を手分けしてやってたものです。

90年代になるとコピーが安くなりましたし、リソグラフで紙に書いた原稿から印刷できるようになりましたので、ガリ版やらボールペン原紙やらにまつわる特殊技術はすっかり継承されなくなってしまいました。わら半紙もいつの間にか見なくなりましたね。藁をリユースするより輸入パルプを使った方が安上がりになったのでしょう。そんな歴史を思い出させる回でした。

ところで少年戦記の会の住所は「調布市下野原」となってましたが、多分下石原をもじった架空の住所です。ここに送っても宛先不明で帰ってくるでしょうね。

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