【ゲゲゲの女房】 第106話 祝!悪魔くん放映!!
1966年10月6日、悪魔くん第1回がテレビ放映されました。6の3並びは偶然として、10月6日の話を第106話にもってきたのは計算した演出でしょう。第100話の水木プロ発足といい、細かいところまで考えられたドラマです。
いかる、いとつ夫妻がサプライズ上京し、浦木があわてて逃げ出したところで舞台は整いました。街頭テレビのころみたいに皆さんテレビの前に勢ぞろいです。仕事を終わらせたアシスタントの面々も後ろの方に控えながらも晴れやかな表情でした。すがちゃん今日は失敗しなかったようですね。
安来では源兵衛さんたち、喫茶店ではこわいものみたさの一六銀行頭取と浦木、千葉では美智子さん一家、それに厚木の太一くんや山梨のはるこさんも画面では見えんけどテレビをみつめておったことでしょう。さらには沢山のドラマの視聴者のみなさんも悪魔くん開始を待ち構えていたと思います。
「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム・・」
大阪では中森さん、どこかのラーメン屋では富田元社長もテレビを見てました。中森さん、元気そうでなによりです。家族でテレビを囲める暮らしができるようになったんですね。東京で苦労されてただけに嬉しいです。富田さんは無精ひげを生やして一人暮らしで今でも苦労されてるのでしょう。茂さんのテレビ放送、お店の人たちに頭を下げて必死で見つめています。
子供たちの反応はどうだったんでしょうね。藍子ちゃんも源兵衛さんとこのお孫さんたちもいまいち集中して見てなかったようで、船山さんとしては改善の余地があるようです。アニメーションにした方が活劇の迫力が出るのかもしれません。
エンドロールに「水木しげる」の名前がでると一同拍手喝采です。いかる母さんも源兵衛さんも涙、涙でした。源兵衛さんが泣くのはおばばが亡くなったとき以来ではないでしょうか。自分が見込んで娘を嫁に出した婿の晴れ姿。漫画賞のときも万歳してましたけど、テレビで名前を見るのは格別です。加納さんが名前にこだわるのも分かります。今日は深沢さんともども登場しませんでしたが、明日あたり反応が分かるでしょう。
浦木の涙も初めて見ましたね。せんだっても布美枝さん懐妊を聞いて小さく拍手してましたが、日ごろの憎まれ口もゲゲたちを心配してのことなのでしょう。茂さんちでは泣き顔を見せづらかったでしょうから、喫茶店でみて正解でしたね、浦木くん。
放映が終わって茂さんはすぐ戌井さんに電話をかけました。初代悪魔くんは戌井さんのサポートあって始めて世に出ることができました。それがなければ豊川さんが悪魔くんのテレビ化を提案することもありえません。同志にして恩人の戌井さんに一番に電話するあたりが茂さんらしいですね。
「編集者としての目は確かでした」
茂さんの目も潤んでましたが、茂さんににそういってもらえるのが戌井さんにとっても一番嬉しかったんじゃないでしょうか。そして布美枝さんの肩にぽんと手を置いてお祝いの席に向かいます。さりげないが万感の思いをこめた「ぽん」。これまで本当にありがとう。お疲れ様。これからもよろしくな。茂さんの気持ちは布美枝さんにもしっかりと伝わりました。
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