【ゲゲゲの女房】 第86話 見てるだけ
こみち書房が去ってお話の焦点ははるこさんに移ってきました。浦木が「一ヶ月前から行方不明なんですよ」といった直後に嵐星社に現れるところはご愛嬌ですが、深沢さんに「あんたらしくない」といわれて切れてしまいます。
「自分らしさなんて、認められなければ何にもなりません」
「ゼタだって、大手では相手にされてないじゃないですか!」
この辺が難しいんですよね。自分らしさの追及と商業ベースに乗る作品というのは単なる二項対立ではありません。商業ベースに乗せるためには人気漫画の模倣にプラスアルファした自分らしさ、作者の持ち味が必要になります。深沢さんはそのことを伝えようとしたのですが、はるこさんにはうまく伝わっていないようですね。まあ、いずれにしてもかなりハードルの高い話ではありますが。
そこへ同人誌を出した太一くんとともに布美枝さんが訪ねてくるのですが、心配して話を聞こうとした布美枝さんにも
「先生のそばで見てるだけじゃないですか!」
「苦しんで漫画描いてる人の気持ちなんてわからない」
と八つ当たりして去っていきました。「見てるだけ」といっても本物の漫画家の苦しみや喜びを間近で見てきた人の話はとても貴重なはずですが、ひとの話に聞く耳持たない状態になってますね。相当焦って余裕をなくしているようです。前に「私、時間がないんです!」と叫んでいたことから、はるこさん不治の病説が囁かれていましたけど、そんな展開にもなりそうな雰囲気です。
一方の太一君は同人誌「シリウス」を出して文壇への第一歩を記しました。のちに有名な詩人になっていくのでしょうか。厚木に工場が移転とか言ってましたから、日産の工場に勤めながら創作活動を行っていくのかもしれませんね。
それはともかく、「見てるだけ」と言われた布美枝さん、気にしなくてもいいのに相当気にしているようです。前に深沢さん秘書の郁子さんには「主婦には自分の名前がない」といわれたりしてましたし、何か一念発起して始めるのかもしれません。朝ドラの常道では、そういうのは大抵空回りになるのですが、はたしてどうなるのでしょうか。
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