【ゲゲゲの女房】 第94話 恐怖の読者投票
「テレビくん」の原稿料で村井家にもようやく電話が引かれることになりました。徒歩と妖怪ポストしか連絡手段がない家では大手と仕事をしていく上では不便です。なんだかんだといいながら、テレビや電話といった文明の利器がそろってきましたね。
電話とくれば間違い電話はお約束です。電話の音にびくっとする藍子ちゃんが可愛いです。冷やし中華の注文2回のあと大事な電話がかかってくるのもお約束。墓場の鬼太郎、少年ランド本誌に掲載決定です。非常にめでたいはずですが、今日の時点ですでに前途に暗雲が漂い始めてきました。
一つはゼタとの関係。深沢さん自身は茂さんのメジャーデビューを我が事のように喜んでくれているものの、鬼太郎はもともと富田書房や山海社で出していた作品です。版権の問題が早晩浮上してくるでしょう。インディーズ作家を見出して育成する嵐星社や北西出版のような中小出版社が、経済的にも報われるべきだという加納秘書の意見はもっともです。新しい才能を世に出すこと自体に喜びを見出す深沢さんのポリシーとやがて衝突することになるのかもしれません。
もう一つは鬼太郎の人気が芳しくありません。
「恐怖の読者投票の仕組みをしらんのか!」
と浦木が力説してましたが、3回連続で最下位を取ると打ち切りになるといいますから確かにこれは恐怖ですね。鬼太郎はすでに2回最下位を取ってしまっていきなり土俵際に追い込まれてしまいました。
「ザラッとした奴」
これが豊川さんのヒットの法則です。当たり障りのない無難な作品ではヒットしません。でもザラッとしすぎても駄目なんですよね。「ガリガリ君」も昔は学ラン着たバンカラで人気がなかったものを子供のキャラに作り変えて可愛げを出すことで人気キャラになった歴史があります。「テレビくん」をもっと可愛く、という指示も本来は編集者が出すべきだったのですが、豊川さん、茂さんに入れ込みすぎてその変のさじ加減に狂いが出てきているのではないでしょうか。ちょっこし心配です。果たしてうまく立て直せるでしょうか。
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