« 赤ちゃん•• | トップページ | 【ゲゲゲの女房】 第85話 イカル来襲 »

2010年7月 5日 (月)

ネット利用と一般信頼

今朝の新聞に「ネット利用が一般信頼を促進する」という記事が載ってましたので、手元のデータを使って検証してみました。今年4月に行ったテレビやネットの使用状況と一般信頼や社会貢献との関係を調べたデータです(サンプル数303人)

相関係数を見てみるとインターネットの利用時間と一般信頼(「ほとんどの人は正直だと思う」)との相関は-0.10、街頭募金(「街頭募金にはなるべく協力する」)との相関は-0.12で、ほとんど関連がないかあるいはごく弱い負の相関が見られました。ネット依存(「ネットをしていて思ったより時間が過ぎることがある」)との相関は一般信頼が-0.13、街頭募金が-0.10で、こちらもごく弱い負の相関が見られます。ネットの利用やネットへの依存傾向は一般信頼や社会貢献行動と無関係か、あるいは弱いながらも阻害する傾向がみられるようです。

次にこれらの変数に心理変数の中で相関のあった他人指向の質問(「何かをする前に周りを気にするほうだ」「周りと意見が違うと自分が違うと思う」「ムードで意見を変えるほうだ」と不安(「ふと不安に思うことがある」)とを加えてパス解析を行ってみました。

Photo

おもしろいことに他人指向や不安の強い人はネット利用が少ない(他人指向や不安の弱い人がネットを良く使う)らしいことがわかります。一方、ムードで意見を変える人や不安の強い人はネット依存が強い傾向が見られますので、ネット利用とネット依存には密接な関係がありつつ意味が違う部分があることがわかります。ネットの使い方によって内部指向的(=非他人指向的)になったり他人指向的になったりするようです。

ネット利用時間はさらに街頭募金参加に負の影響を持っていますし、ネット依存は他人を正直と思う傾向(=一般信頼)

を下げる傾向を持っています。街頭募金参加や一般信頼は社会貢献意図と正の関係にありますので、やはりネット利用やネット依存は一般信頼や社会貢献傾向を引き下げる効果を持っているようです。

新聞の記事ではメールの送信回数が一般信頼と正の相関を持つことが紹介されていましたが、一般信頼は友人の数と正の相関を持ちますのでネット利用の正の効果というよりも友人の数を通した偽相関があるのかもしれません。また若い人で一般信頼が高いことがネットの効果の傍証とされてましたが、WVSデータによると日本では少なくとも1980年ごろから一貫して若い層の一般信頼が高く、年配の方の一般信頼が低い傾向がみられますので、年齢による違いはネット利用の多寡が原因ではおそらくないでしょう。

今回、ネット依存と他人指向や不安との関連が見出されたのは多分新しい傾向で、テレビ=他人指向メディア、ネット=内部指向メディアという構図が崩れつつあるのかもしれません(テレビ視聴時間は今回他人指向との相関はありませんでした)。ネットについては、日々状況が変わりますので将来はどうなるのかは分かりませんが、すくなくとも今のところはネット利用は一般信頼や社会貢献に負の影響を持っているといえそうです。

|

« 赤ちゃん•• | トップページ | 【ゲゲゲの女房】 第85話 イカル来襲 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121873/48800344

この記事へのトラックバック一覧です: ネット利用と一般信頼:

« 赤ちゃん•• | トップページ | 【ゲゲゲの女房】 第85話 イカル来襲 »