【ゲゲゲの女房】 第110話 いずみちゃんの縁談
今日の冒頭シーンはこれまで最短だったかもしれません。電話に出る布美枝さん。源兵衛さんからです。そしていずみちゃんの見合い話を告げられます。それだけですが、インパクトは十分でしたね。倉さんやスガちゃんはどうするのか? いずみちゃんの反応は? オープニングの間いろんなことが頭を駆け巡ります。
お相手はしっかりした会社にお勤めだそうで、経済的には不安なさそうですね。お金がないのは源兵衛さんも布美枝さんのときで懲りているのでしょう。幸い茂さんはブレークしましたが、いつもそううまくいくとは限りません。しっかりした相手をという親心はよく分かります。
一方、東京に出した時点でいずみちゃんがこちらで就職するなり結婚するなりの可能性があることは、源兵衛さんも承知してるような気がします。布美枝さんが「好きな人おるん?」と何度も聞いてたのも、そうであればお父さんを説得してあげるよといいたかったのでしょう。でも、いずみちゃんにはそんな気遣いは通じなかったようです。
「誰もおらんよ!」
「姉ちゃんみたいに、旦那様を当てにして生きてる人だけじゃないけんね!」
安来に帰りたくない気持ちは分かりますが、そこまで言わなくても・・という気はしますね。それに時代背景を考えるとちょっと不自然な発言でもあります。当時いわゆる専業主婦はまだマイナーで、多くの家庭は戌井さんとこみたいに夫婦共稼ぎでなんとかやりくりしていました。旦那様の稼ぎで団地生活を送る専業主婦はむしろ憧れの対象だった時期でしたから、いずみちゃんの発言はちょっこし時代を先取りしすぎています。
まあ、加納さんとの対比で布美枝さんの生き方を描き出すというのがこのドラマの一つのテーマですから、その流れで理解すべき発言なのでしょう。加納さんはゼタの仕事の傍ら「ヤングウーマン」という女性誌に記事を書く仕事を始めてました。ますますスーパーウーマンに拍車がかかってますね。いずみちゃんも、そんな風に仕事をしたいのでしょう。
「加納さんは特別優秀だから・・」
鬼才、水木しげるですらなかなか成功しない現実をみてきている布美枝さんは心配でたまりません。かといって、憧れがなければ何事も始まらないのも事実です。頭ごなしにいずみちゃんの思いを否定するつもりも布美枝さんにはなさそうです。幸いいずみちゃんのことで浮き足立っているアシスタントたちは小峰くんがまとめてくれそうですので、いずみちゃん自身には布美枝さんが向き合うことになるのでしょう。「痛いこと」を言われた割に冷静な布美枝さん、どんなお母さんぶりを見せてくれるのでしょうか。
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