【ゲゲゲの女房】 第123話 敗走記
「しげさーーん! 生きて帰れーーー!!」
「しげるーーー!!」
イカル母さん、イトツ父さんの絶叫に涙が止まりませんでした。今日はこのシーンに尽きますね。戦局不利な昭和19年、パプアニューギニアの前線に送られた茂さんの部隊は敵の不意打ちを受け全滅。茂さんは海に飛び込み難を逃れますが、陸に上がろうとすると再び敵に遭遇します。絶壁に必死にしがみつく茂さん。その姿を夢に見たイカル母さんとイトツ父さんがはるか境港から送った念が通じたのか、敵は茂さんに気づくことなく去っていきました。
そんなことがあったのですね。若いイカル母さんが涙を浮かべながら必死に叫ぶ姿に胸を打たれました。しげさんが復員してきたときの喜び、自ら腕をつって片腕の暮らしを体験しようとしたエピソード、婚礼の夜の布美枝さんへの挨拶。一こま一こまの背後にこのときの絶叫がこだましているように感じられました。
敵から逃れた茂さんでしたが、蚊の大群に襲われてマラリアに感染、上官には生きて帰ったことをとがめられ、高熱にうなされているところに機銃掃射を浴び、片腕を失います。こうした体験を短時間に漫画にしろと言われても到底できるものではないでしょう。
「本当の戦争を描きたい」
ラバウル訪問も南国熱もその思いを実現するための下準備だったのですね。
そんなことを知る由もない藍子ちゃんは「学校も試験もなんにもない」南国に移住したいと言い出しました。布美枝さんもようやくただならぬ事態に気がついたようです。明日は赤木さんの誕生会のある木曜日。非常に心配です。
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