【ゲゲゲの女房】 第134話 ガラクタじゃないか
ああ~♪ 私の恋は~♪
冒頭、喫茶店のシーンで松田聖子さんの「青い珊瑚礁」が流れてました。この曲を聴くと、ああ80年代だなって感じますね。昨日も「器用な人は上手に、そうでない人はそれなりに」と、富士フィルムのCMのもじりが使われていてNHKもなかなか芸が細かいです。
戌井さんの奥さんも久しぶりの登場です。2回タイムジャンプをする前、「悪魔くん」のテレビ放映のとき(第106話)以来ですから15年ぶりということになるでしょうか。もっとも、布美枝さんとは4年前に埼玉に引っ越す前に会ってはいるようですが。戌井さんの消息も15年ぶりに明らかになりました。北西出版は今も続けていること、ただ「北西文庫」の失敗以来漫画の仕事はしてないこと、つまらなそうで半分空気が抜けたみたいになってること。でも、また最近漫画を読み始めて、すこーしだけ空気がってきたこと。
「漫画馬鹿はやっぱり漫画やらないとだめなのね」
まずはお元気そうで何よりです。漫画をポケットサイズに文庫化する「北西文庫」は大手にまねされてぽしゃったそうですが、大手がまねをするような独創性は健在ということでもあります。是非、もう一花咲かせてほしいですね。
もう一人の漫画馬鹿、茂さんは苦境に陥ってました。週刊パインを最後に連載の仕事は入ってきません。テレビの取材では
「昔ながらの古臭い妖怪の話では視聴者も食いついてきませんから」
といわれる始末です。特にテレビのバラエティは栄枯盛衰が激しいですからね。1981年と言えばTHE MANZAI をはじめとする漫才ブームの真っ最中で、一日中漫才番組をやってたものですが、82年にはすっかり下火になってしまいました。テレビの感覚では「水木しげるはもう古い」と言われても仕方ないかもしれません。
「やっぱり漫画だ。漫画でないと思うことは伝えられん」
その漫画でも仕事が来ないのですから深刻です。メジャーデビューから15年。ザラッとくるコンテンツを描き続けるのは大変です。昔ながらの妖怪話をリメイクするのも限界に近づいているのでしょう。とすると、何を描くべきか。
「ガラクタじゃないか」
南の島から持ち帰った品々を前に茂さんはつぶやきます。宝の山だったものがガラクタに見えてくる瞬間、自分のやってきたことが無意味に思えてくる瞬間です。このとき楽園の品々だけでなく「昔ながらの妖怪話」も時代遅れのガラクタに見えていたのではないでしょうか。これまで、自分の描きたいものと世間の要求を巧みに調和させてきた茂さんでしたが、ここにきて「描きたいもの」を見失ってきたのかもしれません。脳の預金通帳に入金が必要です。
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