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2010年9月 1日 (水)

【ゲゲゲの女房】 第135話 茂さんのスランプ

水木プロに漫画の注文が全く来なくなりました。妖怪漫画の需要がなくなってきたようです。結婚を考え始めたスガちゃんにも、高校進学を控えた喜子ちゃんにも影響を与えかねない事態です。

 「子供はロボット、大人は金儲けに夢中だ」

そうかもしれません。ロボットというのはガンダムのことでしょうかね。80年代初期はバブル景気にはまだ早いのですが、マル金、マルビなんて言葉が現れて格差の再拡大期には入りつつあったようです。そういう時代には鬼太郎たちの出る幕はないのかもしれない。テレビ取材で「妖怪のご利益」を聞かれたショックもあって、茂さんはそう感じているようです。

でもよく考えてみると、鬼太郎が世に出た高度成長期も条件は似たようなものでした。子供たちはアトムや鉄人28号に夢中でしたし、大人は事業の拡大や三種の神器に心を奪われていました。そんな時代でも豊川さんに「墓場鬼太郎をやらせてください」という強さが茂さんにはありました。それが今は消えてしまっているようです。

 「近頃ちっとも感じんのだ、妖怪たちの気配」

これが根源的な問題ですね。自分が信じていたものが信じられなくなっている状態。楽園だと信じていたものがガラクタに見える。これは辛いです。自分の半生を自分で否定するようなものですから。「千万人といえども我いかん」といえるのも信念があるからで信念が揺らぐと2,3人が相手でも厳しいものです。

こういう状態はあまりに辛いので、昔の政志さんみたいに逃げたりごまかしたりしたい所ですが、そうはしないところが茂さんらしいですね。

 「40年、50年と連れ添ううちにはいいときも悪いときもある」

 「悪いときにこそ人間の値打ちが出るだけえな」

源兵衛さん、いいこと言います。悪いときにこそ人間の値打ちが出る。紙に書いて張っておくべき言葉でしょう。茂さん、ここが踏ん張りどころです。布美枝さんも藍子ちゃんも喜子ちゃんもついています。

 「俺が妖怪だと思とったものは、何だったんだろう」

この問題を詰めることが、多分スランプ脱出の道で、それが後期水木しげるへのターニングポイントになるような気がします。

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