【ゲゲゲの女房】 第153話 スガちゃんの点々魂
残り4話になってスガちゃんに焦点を当てるとは、やってくれますね。昨日は実家の兄嫁さんの邦子さんにスポットを当ててましたし。サブキャラクターを丁寧に描くことが、人の縁を描くドラマに深みと説得力を与えています。
編集長になった北村さんがもってきたのは、鬼太郎週刊連載の依頼とスガちゃんの新人漫画賞審査員特別賞受賞の知らせでした。週刊連載は新しいマンパワーを必要とします。一方、漫画賞を受賞したスガちゃんには独立のチャンスが巡ってきました。
「意志の力で成功しないときは好機の到来を待つしかない」。このチャンスをつかんでほしいと願う茂さんたちは、スガちゃん抜きの態勢を組み始めます。倉田くんの例もありますから、受賞=独立と周りが思うのは自然なのですが、ちょっこし先走りすぎだったかもしれません。スガちゃんは自分が要らないと思われていると誤解したようです。
「ぼくがいなくたって、先生困らないでしょ?」
「もう若くもない僕なんか、お荷物なんでしょうか」
スガちゃん、自信がないんですね。20年間休まずに点々を打ち続けてきたのに「点々しか打てない」と思ってしまう。夕顔畑に風が吹く。若き日の初恋の思い出。奥さんとの初恋なのでしょうか。北村さんが「大賞でもよかった」と絶賛する渾身の一作をかいたのに「あれ以上のものはかけない」。自分で線を引いてしまいます。
でも、そういう人は沢山いるんですよね。地道にかけがえのない仕事をしているのに、周りに評価してもらえずに自分でも「自分はダメだ」と思い込んでいる人。そうした沢山のスガちゃんたちに茂さんが一喝します。
「だら!」
「あんたが抜けたあとどうしようか、こっちは頭を悩ませとったんだぞ」
アシスタントは数がいればいいというものではない。仕事を知り尽くしたベテランアシスタントは新人の教育にかかせません。そしてしつこく点々を打ち続けるスガちゃんの点々魂が、水木漫画にえもいわれぬ妖気を吹き込んでいるのでした。
「あんたの代わりはおらんのだ!」
言わんでもわかるだろう。茂さんはそう思っていたのかもしれません。でもスガちゃんにとっては、そう言ってもらうことが何よりの励みになったことでしょう。
見えんけどおるけど言わんとわからん。そう気づいた茂さんはこれまでの感謝の気持ちを、水木プロ設立20周年記念パーティとして形に表すことにしました。「大勢呼ぶぞ!」。沢山の懐かしい面々が集うことでしょう。そして沢山のありがとうが交わされることでしょうね。今から楽しみです。
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コメント
ちょっこし謝ります。m(_ _)m
ちらっと一瞬見ただけで判断するのはわたしの欠点です(笑い)。
予告で源兵衛さんの葬式だと思ったのは20周年パーティーだったんですね(恥!)。そらそうだ。源兵衛さんの葬式に週刊ランドの豊川さんがいるわけないですね(笑い)。コメント投稿する以上見返すべきでした。
わたしも今回は良かった。
口コミサイトへのコメントに書きましたが、「このドラマはまったく、もう誰が最期に化けるか分かんないドラマ」「人の絆の中では。賞金やトロフィーや立身名利でなくとも人は報われる。心の勲章。ちょうど貸本オリンピックのメダルのように」と。
そうして政志さんの美智子さんへの金メダルを思い出しました。
投稿: ホンマ | 2010年9月22日 (水) 11時56分
心の勲章。いい言葉ですね。スガちゃんも茂さんにもらった心の勲章を胸に誇りをもって点々が打てることでしょう。
政志さんにももう一度会いたいですね。太一くんもどうしてるでしょうか。20周年パーティーで再会できますように。
投稿: くじょう | 2010年9月23日 (木) 01時05分