【ゲゲゲの女房】 第155話 読者の化身
商店街のみなさん、質屋の亀田さん、それに太一くんが20周年のお祝いにやってきてくれました。布美枝さんが調布にきた日からお世話になっている「まかせなさい!」トリオのみなさん。買い物はいうに及ばず、読者の会や貸本オリンピックの宣伝、ロザンヌレディの紹介などなど物心ともに支えられてきました。一六銀行の頭取さんは、青海波の着物を質流れから守ってくれた功労者です。地域のみなさんの支援があってこそここまでやってこれました。
墓場鬼太郎の大ファンだった太一くん。今は福島で工場長をやってるそうです。みなさんそれぞれ偉くなってますね。美智子さんの手紙を持ってお祝いにやってきてくれました。
「怖いけど面白い」
こんな怖い漫画が売れるか!と富田社長にダメだしされたときも太一くんのファンレターで救われたものです。少年ランドの連載開始時、読者投票が最下位だった鬼太郎にファンレターを送ってくれたのも太一くんだったかもしれません。今でももちろん茂さんの漫画を読み続けてくれています。
「最初の鬼太郎とは今のはだいぶ違うけれども」
「やっぱり先生の作品はおもしろいです」
貸本の時代から、楽しみにしてくれている大勢の読者たち。頼もしいけれども、つまらない漫画をかくととたんにそっぽを向かれてしまう、怖い存在でもあります。その大勢の読者たちの化身が太一くんという存在だったのかもしれません。
「描き続けてください。おれはずっと読み続けます」
地域のみなさん、読者のみなさんに支えられて描き続ける茂さん。その姿勢は昔となんら変わるところはありません。茂さんを一番近くで支え続けた布美枝さんには今日は2回、ねぎらいの言葉がかけられました。
「これはお母ちゃんにだ」
子供たちから贈られた花束。茂さんは布美枝さんに手渡しました。
「お母ちゃんがおらんとここまでやってこられんかったからなあ」
20年分のありがとうが込められた花束。ここまではっきり感謝の言葉を口にする茂さんもはじめてですね。ラスト2回、やはりきっちりいっとかないといけません。布美枝さんも感無量だったことでしょう。
「一緒に送りにいくか」
そして・・。源兵衛さんの訃報に悲しむ布美枝さんの肩に手を置きながら。その右手には言葉にならない深い愛情が込められていました。源兵衛さんが布美枝さんの手を握り安来節を歌ったシーン。あれがやっぱり布美枝さんとのお別れのシーンだったのですね。「歌の通りになれよ」と願った姿を見届けるように源兵衛さんはおばばの元へと去っていきました。
「みんなでいこう」
今こそ茂さん、布美枝さんや安来のみなさんにご恩返しするときです。
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コメント
いよいよ明日ですね。
わたしは、このドラマに関しては、ものすごく内容が濃密だったと思いますよ。
DVDで買ったら分かんないでしょうが、画面の隅っこにある時刻で、「ここまでで2分!?」といったオープニングや、「3分前? それでここまで見せちゃったの!?」というエンディング。そんなことばっかりでした。
作り方が映画といっしょでしたよね、省略法やなにか。ここまできわめたドラマはなかったんじゃないですか? すくなくともわたしは経験がありません。
明日の放映が楽しみです。もう、脚本さんには全幅の信頼を寄せてますから、「うまく着地するか怖い」とか、「ガッカリする終わり方じゃ」、とかは全然考えてません。
明日は8時前に起きたりして……(笑い)。
投稿: ホンマ | 2010年9月25日 (土) 00時39分
ほんとにね。見れば見るほど、書けば書くほど発見のあるドラマでした。今日の終わり方も見事でしたね。ご縁の糸。見えないもののありがたさ。しみじみ描かれていて、不思議に元気の出るエンディングでした。どうも長らく、お付き合いくださりありがとうございます。
投稿: くじょう | 2010年9月25日 (土) 17時40分