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2010年9月17日 (金)

[一般信頼の構造2] クラスター別相関係数

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クラスターごとに相関係数の平均を求めてみると図のようになりました。左から、一般信頼と近所信頼の相関の平均値、一般信頼と知人信頼の相関の平均値‥初対面信頼と外国人信頼の相関の平均値となっています。

総じて、一般信頼と個別の4信頼の間の相関より、個別信頼間の相関の方が高くなっています。一般信頼は「大抵の人は信頼できると思いますか」という訊き方をしますので、このときどの人を思い浮かべるかが人によって違うと、個別信頼との相関が低くなるのだと考えられます。一般信頼が2件法、個別信頼が4件法という訊き方の違いも影響しているかもしれません。

一般信頼と個別信頼との相関の落差は第3クラスター(ガーナ、エチオピアなど)で際立っています。個別信頼間の相関が0.4~0.5程度と高いのに、一般信頼と個別信頼の相関は0.15程度と低く、一般信頼が何を測定しているのか判然としません。

同じ傾向は第4クラスター(チリ、南アフリカなど)、第5クラスター(中国、インド、トルコなど)でも見られます。特に第4クラスターでは一般信頼と個別信頼の相関は0に近く、統計的にも有意ではなくなっています。個別信頼間の相関は第4クラスターではそこそこの値、第5クラスターではこちらの値も小さくなっています。特に近所信頼と外国人信頼の間の相関や知人信頼と外国人信頼との間の相関が低く、外国人に対する信頼と近所や知人に対する信頼がこのクラスターでは別物であることが伺われます。

第2クラスター(アメリカ、ドイツなどの欧米クラスター)では逆に、一般信頼と個別信頼の相関が高くなっています。特に一般信頼と初対面信頼の相関は0.4ちかくあって、個別信頼間の相関より高いぐらいです。もともと一般信頼の質問は欧米の社会調査で使い始められたものですが、これらの国々では一般信頼は初対面の相手に対する信頼の代理指標と考えてよさそうです。

第1クラスター(ロシア、ブラジル、韓国など欧米化しつつある国を中心とするクラスター)は第2クラスターと第3~第5クラスターの中間的な特徴を持ち、一般信頼と初対面信頼の相関が比較的高めになっています。といっても第2クラスターほどではなく、一般信頼と初対面信頼の関連性も発展途上といえるかもしれません。時系列データを見るときに注意しなければいけない点といえるでしょう。

第5クラスター以外では個別信頼間の相関は総じて高く、クラスターの違いは一般信頼と個別信頼の関連性の違いによって生じているようです。第5クラスターは個別信頼の構造自体、他のクラスターとは違っているのかもしれません。一般信頼の高低を国際的に比較するさいにはこうした一般信頼の構造の違いについて留意する必要があるでしょう。

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