1962年4,5月のうた
『ピクニック』 『歌うよカッコー』
『バスの歌』 『花』
『花まつり』 『ピノキオの歌』
『もしぼくが』
みんなのうた50年史の作業もぼちぼち再開しましょう。といってもまだ1961年の分しかできてませんけどね。半年分を一度に紹介するのも結構大変だと判明したので、2ヶ月分ずつみていくことにします。
1962年4,5月の新規放送曲は上の7曲です。『ピクニック』と『花』は有名ですね。『ピクニック』はイギリス民謡で
♪丘を越え行こうよ~口笛吹きつつ~
という曲です。元歌は「She'll be coming around the mountain」らしいのですが、サビの部分しか日本の曲と一致してないので、あとの部分の由来は不明です。2chの記事に「昭和30年ごろ東京音楽大学教授の萩原英一氏がイギリス民謡に詞をつけた」とするものがあり、これがアヒルさんやヤギさんが登場する部分のようです。
アヒルやヤギとピクニックに行く機会は滅多にないですが、最近はピクニック自体行かなくなったような気がします。ひょっとしたら若い世代にとっては死語だったりするかもしれませんね。
『花』は武島羽衣作詞、滝廉太郎作曲の
♪春の~うららの~隅田川~
です。隅田川の流れを見ると頭の中で自動再生されますね。歌詞は耳で聴くと結構難解で「貝のしずくも」とか「錦おり成す朝廷に」とかに聴こえてしまうと何のことかさっぱり分からなくなります。
実際はボートでのぼりくだりする様を歌ったもので、桜木や青柳が手を差し伸べるなか、「櫂のしずく」を花と散らしながら「長堤」に沿って漕げば、おぼろ月が千金の眺めとなって昇ってくるという、まことにゴージャスな歌詞です。
1900年(明治33年)の作曲(歌曲集『四季』の第1曲。他は『納涼』『月』『雪』)といいますから、110年前の作品ということになりますね。ラジオ歌謡や国民歌謡には入っていなかったようで、定期放送としてはみんなのうたが初のお目見えだったのかもしれません。
『バスの歌』は佐藤義美作詞、大中恩作曲で
♪バスが左へ曲がると
♪隣の人も左へ曲がる
というサビの曲でした。おかあさんといっしょで割りと歌われていて聴いた記憶があります。どこのだれだか知らない人たちと、右に左に映画のような景色を眺めながら走る楽しい曲でした。
アルゼンチン民謡の『花まつり』は
♪タンララランラン タンララランラン
♪タンララランランラン
という旋律に聞き覚えがあります。あとの歌詞はさっぱり覚えてませんが「懐かしのみんなのうた2」のページでMIDIを聴いた感じでは、多分どこかで聴いたことがある気がします。フォークダンスを踊りたくなるような曲ですね。
あとの曲は知りません。『歌うよカッコー』も「懐かしのみんなのうた2」で聴けますが聞き覚えないですね。『ピノキオの歌』は人形劇のテーマ曲、『もしぼくが』はみんなのうた用に作られたオリジナル曲らしいのですが、今には伝わっていない曲のようです。
そんなわけでこのクールの曲は7曲中4曲を知ってました。生まれる前にしては上出来でしょう。好きな曲がありましたら、どうぞ投票してください。
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コメント
私が特に好きな曲は『花まつり』です!
原題は「La Fete des Fleurs」でフォルクローレです。
民族楽器のケーナで演奏する原曲は素晴らしいです。
華やかな曲で心が弾みますね!!
♪ぬるんだ水に 春の陽は浮かび
小川の水に 春の歌揺れる
小舟は 花束を 積んで走る……
歌って 踊る 春の花まつり
タンララランラン タンララランラン……♪
投稿: るんるん | 2011年12月 6日 (火) 20時37分
この時期放送された「バスの歌」が、58年振りにラジオで再放送されます。
歌手は「渡辺トモ子」。後にジェリー藤尾と結婚するも、やがて離婚したあの人です。
(グリコのCMや「笑って笑って60分」の司会&レギュラーだったな)
歌自体はCDなんかで聞いた事がありますが、「みんなのうた」ではどんな風になるか。
投稿: マーチャン | 2020年3月18日 (水) 23時10分
『バスの歌』懐かしいですね。子供のころ「おかあさんといっしょ」で良く耳にしたものですが、最近はやってるのでしょうか。検索してみたら『バスのうた』の可愛らしい動画が沢山上がってるのですが、別の曲でした。『バスの歌』の動画はこちらだけかもしれません。
https://hoick.jp/mdb/detail/10530/バスの歌
さとうよしみ作詞、大中恩作曲というと『いぬのおまわりさん』と同じコンビですね。どちらも子供たちが喜びそうな楽しい曲です。
♪ 左 オーライ 曲がります
というのは運転手さんのアナウンスですが、こういうのも全然聞かなくなりました。いつ頃までこういうアナウンスをしてたんでしょうね。
投稿: くじょう | 2020年3月25日 (水) 10時21分
「ピクニック」は、アメリカでカントリー・ウェスタンになっていますね。"Martins and Coys"。もっとも、どういうわけだか「赤い河の谷間」と合体していますが(笑)。このメロディは戦前から、ディズニーほか向こうの短編漫画映画のBGMでは常番で、何度か耳にしたことがあります。中西部の田舎で、野良のダンスの伴奏にもなっていたのでしょう。
「左オーライ、曲がります」は、ボンネットバス時代には当然車掌を兼ねたバスガールの役目でしたが、今でも急カーブの直前では運転手が自分で「曲がります、お掴まりください」と注意しています。ワンマン化される以前は、都電(市電)といっしょで、バスもほとんど左右の対面シートだったので、急ブレーキだと客は一蓮托生、横に将棋倒しですから、笑いのタネにもなりました。都バスもトロリーバスも62年だと鼻はもう引っ込んでいたと思いますが、まだその調子でしたね。今では三人以上の横並びは、最後列だけですから、それほど目立ちませんが。
投稿: KPO | 2020年4月 3日 (金) 01時02分
KPOさま
コメントありがとうございます。そういえば、バスにもバスガールさんや車掌さんがいましたね。路線バスで乗り合わせた記憶はおぼろげですが、「ワンマンバス」という表現は車掌さんがいた頃の名残りなので痕跡は残っていると言えるでしょう。「曲がります、おつかまりください」は先日も耳にしました。気をつけて聞いていると今でも運転手さんがアナウンスしてるのですね。
『バスの歌』はずいぶんと壮大なイントロで、ちょっとびっくりしました。スピード感のある伴奏やバスのクラクションのようなラッパの音も楽しいですね。昭和のジャズバンドといった風情で「おかあさんといっしょ」のとはだいぶ違っておしゃれな作りになっていました。映像もみたいものですが…
投稿: くじょう | 2020年4月 8日 (水) 12時58分