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2011年3月 1日 (火)

クズネッツ曲線

一人当たりGDPと曲線的な関係があることが知られている社会的指標の一つがジニ係数です。ジニ係数は所得や資産分配の不平等を計るときに使われる指標で、たとえば全員が等しい所得を持っているときには0(完全な平等)、一人がすべての収入を独り占めして残りの人が所得ゼロのときに1(完全な不平等)となります。通常はその中間の値で、値が大きいほど不平等ということになりますね。

UNDPのHuman Development Report 2010にデータのある135カ国について、横軸に一人当たりGDP(対数変換したもの)、縦軸に所得についてのジニ係数をとった散布図をつくってみると次のようになります。HDPのジニ係数は0~1の値を100倍して0~100の値に変換したものが載ってましたので、図でもそのまま使っています。

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ばらつきは大きいのですが、二次曲線で近似すると上に凸の曲線が得られました。一人当たりGDPの対数値が3未満の国(GDPが1000ドル未満の国)ではジニ係数は40前後ですが、GDPの対数値が3~4の国(GDPが1000ドル~1万ドルの国)ではジニ係数が50や60を越える国が現れて不平等が拡大する国が多いことが分かります。中にはジニ係数が20を切る国もあったりはしますが(シリア18.3、アゼルバイジャン16.8。本当?という気はしますが・・)、平均するとジニ係数は増加しています。

これがGDPの対数値が4を越える国(1万ドルを越える国)になると、ジニ係数が50を越える国は姿を消し、30前後の国が大半を占めるようになります(ノルウェー25.8、スウェーデン25、日本24.9、イギリス36、アメリカ40.8など)。こうして、曲線近似すると上に凸の曲線が得られることになります。

経済発展の初期には農業部門から工業部門に資金が移動して格差が拡大する一方、経済発展によって中間層が増えてくると所得再分配が行われるようになって格差が縮小する現象は、1971年にノーベル経済学賞を受賞したサイモン・クズネッツが発見しました。そのため、この上に凸の逆U字曲線はクズネッツ曲線と呼ばれています。

この逆U字型のクズネッツ曲線と、先ほど発見した一人当たりGDPと初対面信頼のU字型曲線の関係から考えると、ジニ係数と初対面信頼の間には負の線形な関連があると予想されますが・・

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