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2011年4月16日 (土)

震災前後の関心の変化

2010年調査と2011年調査を比較して、災害への関心が大きく高まったことをみてきました。大震災発生による変化としてはきわめて順当なものですが、その他の事柄に対する関心はどのように変化したのでしょうか。2010年と2011年では関心事項については同じ質問項目を使って調査していますので、両年を比較して震災前後での関心の変化をみてみましょう。

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上の図は2011年における「関心あり」の割合(○をつけた人と◎をつけた人の割合の合計)から、2010年における「関心あり」の割合を引いた値の大きい項目から順に並べたものです。こうしてみるとやはり「災害」に対する関心の増加が顕著ですね。次に増加が大きいのが「環境問題」で「経済」や「サッカー」がそれについでいます。原発の事故が環境問題への関心を高めているのかもしれません。日本経済への影響も懸念材料として学生の関心をひいているのでしょう。

サッカーについては多分震災の影響ではないと思われます。去年の4月はワールドカップの南アフリカ大会前だったのですが日本代表チームの前評判は低く、W杯への関心もいまいちだったように記憶しています。それが蓋を開けてみると1次リーグ突破の快進撃で大いに盛り上がった余韻が、サッカー関心の増加としてあとをとどめているのかもしれません。

その他「政治」「景気」「テロ・戦争」についても3ポイントほどの関心の増加が見られますが、統計的に有意な違いではありません。これらの項目を含む、多くの事柄に対する関心の度合いには震災の影響は見られないといえるでしょう。

関心が有意に減った項目としては「結婚」「占い」「旅行」がありますが、理由付けは難しいですね。将来に対する不安の増加が結婚への関心が減った原因かもしれませんが、不安が原因とすると占いへの関心は高まってもよさそうなものです。まあ、テレビや雑誌に載っているような占いでは災害に対処する上では効果がないということかもしれません。

旅行に対する関心が減ったのはこの中では理解しやすいです。交通機関が寸断されたり計画停電でダイヤが乱れたりするのを目の当たりにすると、旅行する意欲がそがれても不思議ではありません。自粛ムードも若干は影響している可能性もあるでしょう。

「野球」「映画」「人間関係」「恋愛」といった項目も2ポイントほど減っていますが、有意な変化ではありません。こうしてみると、変化の見られない項目の方がずっと多くて24項目中の17項目、7割に上っていることが分かります。大きな震災ではありましたが、学生の意識に与えた影響は限定的であったといえるかもしれません。

一方、こうした項目と比較すると災害への関心の増加が巨大であることも分かります。震災の社会意識に及ぼした影響は、範囲は限定的だがその範囲内では巨大だったといえるでしょう。

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