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2011年4月25日 (月)

原発に対する態度の規定要因

先日「原子力発電は次第に減らしていくべきだとおもう」という質問文に対して41%の学生が「そう思う」と答えたというデータを紹介しました。ギャラップが世界各国で原発への賛否をきいた結果でも日本では49%が「反対」と答えていた(こちらは4件法なので「どちらともいえない」という中間の選択肢がありません)そうなので、やはり4~5割の人が原発の縮小か廃止を望でいるということなのでしょう。

ギャラップのデータでは性別の集計は出ていなかったのですが、手元のデータでは男性の36%、女性の52%が縮小を望むという結果で男女でかなり意見が違うようです。年度初め調査では信頼や自信、権威主義、メディア接触といった項目についても質問していますので、これらの質問と原発への態度との相関を見ることでどのような人が原発の維持や縮小を望んでいるのかをさらに探っていきましょう。

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男女別に「原発縮小」と相関があった項目をみていくと表のようになります。男性(245人)については、「街頭募金する」「社会貢献したい」「人は一般に信頼できる」といった社会貢献意識や一般的信頼が有意な相関を持っていることが分かりました。あるいは「身寄りのないお年寄りを見ると、かわいそうになる」や「プレゼントをして、相手が喜ぶのを見るのが好きだ」といった他者への共感を示す項目や、「冷房は28度以上に設定する」という節電行動の項目とも相関があります。総じて社会意識の高い男性が原子力発電の縮小を望んでいるといえそうです。

男性については向社会性の項目の他に「勉強は苦手な方だった」「ファッションに関心がある」「流行に関心がある」「映画に関心がある」といった質問項目も「原発縮小」と正の相関をもっています。勉強が苦手でファッションや流行に関心を持つ男性が原発の縮小を望んでいる、逆にいうと勉強が得意でファッションや流行に関心のない男性が原発の維持や拡大を望んでいるという傾向がみられます。これがもう一つの規定要因になりそうです。

女性は126人分のデータしかありませんので、有意な相関がある項目がその分少なくなります。危険率5%で有意な項目は「お年寄りを気の毒に思う」と「プレゼントして相手が喜ぶのを見るのが好きだ」の共感を示す2つだけでした。

ただ、相関係数の絶対値が0.15前後の項目まで拾ってみても男性の場合より少ない項目しかあがってきません。「一ヶ月に自由に使えるお金(小遣い)」と「中学の頃は楽しい思い出が多い」が正の相関で、「周りと意見が違うと自分が違うと思うほうだ」と「街頭募金をする」が負の相関になっているだけです。「街頭募金」が負の相関を持つのは男性とは異なる傾向で興味深いですが、有意な相関ではないのではっきりしたことは言えません。

このように女性の場合は「原発縮小」と相関を持つ項目は少なく、男性で相関が見られた「社会貢献」や「一般信頼」も全く無相関という結果になりました。女性については他者への共感が原子力発電の縮小を求める主な規定因になっているようです。

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