« ドイツの太陽光発電コスト | トップページ | 一般的信頼と共感の働き »

2011年8月12日 (金)

【みんなのうた50年史】『掲示板のうた』(1962年)

60年代の曲の紹介も再開しましょう。1961年12-1月まで終わってますので、次は1962年2-3月のうたです。このクールで未紹介の曲は『掲示板のうた』と『きれいな帽子』です。『きれいな帽子』は著作権の関係で楽譜集に未収録ですしレコードにも収録されていません。他方『掲示板のうた』はレコードには入ってませんが、水星社のテキストに楽譜と画像の一部が収録されていました。

1313151845403.jpg

1313151864930.jpg

♪ 街にはマチマチな人達
♪ 待ちくたびれてー

ダークダックスのユニゾンで重々しく始まります。どこかピンクパンサーのテーマを思わせるような出だしです。もっともピンクパンサーは1963年なのでこちらの方が先ですけどね。

メロディーの大仰さの割りに歌詞は「街」「マチマチ」「待ちくたびれて」と言葉遊びになっています。作詞の岩田宏さんはロシア文学やSFの翻訳の大御所ですが、遊び心を発揮されてますね。日常を歌った歌詞と曲のアンバランスはこの作品全体を通じた魅力となっています。

テキストにはNHKラジオ歌謡の曲としてつくられたとあるので、調べてみましたがいつが初出かはわかりませんでした。60年代はじめか50年代終わりか。なかなかこないバスか電車を待ちくたびれた人たちが膝を抱えて休んでいます。

1313151875329.jpg

1313151885809.jpg

♪ そんなとき黙って
♪ 話しかけるのはー

黙って話しかける。そんな離れ業をやってのけるのは四角いポスターたちでした。

ラドミ→ドミソシ♭→ファラド→ラド♯ミソ→レファラド→ファラド→ラドミ

の勇壮な和音進行にしたがってポスターたちが力強く訴えます。

生ワクチン! 住所氏名!
断水断水! 日当350円!!


日当350円に時代を感じますね。予防注射や断水や求人の知らせを人々に伝えるポスターたち。それを背後でしっかりと支える真打ちが登場します。

♪ 掲示板 掲示板
♪ 誰が読んでも読まなくても
・・・・
♪ 掲示板はそこにある

ここで長調のメロディーに変わるところが憎いですね。主役の登場が際立ちます。雨の日も風の日も、誰が読んでも読まなくても。

「誰も読んでくれない」

「みんな俺の素通りして嫌になってしまう」

などと不平を言わず、黙々と大切な情報を伝え続ける掲示板。その勇姿を労働歌のように重厚な男声合唱のハーモニーで歌い上げる林光さんの発想に圧倒されてしまいます。音源が残ってないようですし、レコードにもなってないのが残念です。61年度の曲の中でもお気に入りの作品なんですけどね。


『掲示板のうた』
作詞:岩田宏
作曲:林光  
うた:ダーク・ダックス
映像:真鍋博
初回放送:1962年2-3月

|

« ドイツの太陽光発電コスト | トップページ | 一般的信頼と共感の働き »

コメント

くじょうさん、どうしてこんな古い曲を知っているのですか?
さすがのるんるんも知らない曲だというのに・・・・・・
ちょっと悔しいです。(´・ω・`)ショボーン
作詞者、作曲者、歌唱者、絵作者のどなたも知っているというのに、
肝心の曲を知りません。note
水星社の楽譜は持っていますが、放送の記憶がないのです。coldsweats01
真鍋さんは、この作品だけの参加だったのかな?
そういう点でも貴重な曲だと思います。
雪うさぎさんvirgoもご存じなようですが、
ダーク・ダックスに歌ってほしいです!

投稿: るんるん | 2011年8月29日 (月) 22時43分

るんるんさん、残暑お見舞い申し上げますbar
その後、いかがお過ごしでしょうか。

『掲示板のうた』は私も楽譜をみて音取りしただけで、残念ながら放送を聴いたことはありません。でも、譜読みしたときに「どひゃーかっこいい!」と思ったことはよく覚えています。さすがは林光さんだと思いました。ダーク・ダックスの演奏が残ってないのはとても残念です。

みんなのうたにはこんな失われた名曲が沢山存在しているのですね。なるべく発掘して紹介していきたいと思っています。

投稿: くじょう | 2011年8月30日 (火) 16時56分

くじょうさん、「けいじばん」は、いまだにメロディが耳に残っていて、大好きな曲で、もう一度是非会いたいと思っていた曲でした。1962年というと、私が10歳から11歳になるときに聞いた歌だったのですね。譜面は見たことがありませんが、日当.. . . . ,円のフレーズと、「けいーじばん、けいいいじばん、だれーが読んでも読まなくても」から「そこにあるー」までのメロディーは絶対わすれません。
 再会の機会をほんとうに有り難うございました。

投稿: たかはし | 2011年11月24日 (木) 20時13分

たかはしさん、コメントありがとうございます。

リアルタイムで聴いてらしたのですね。うらやましいです。
長調に変わって、けいじばん~けいいじばん~と入る所は本当に格好いいですね。だれ~が読んでも読まなくても、のフレーズも好きですし、掲示板を格好よく歌い上げるという発想自体みんなのうたならではで、 名曲の一つといえるでしょう。

さいわい発掘プロジェクトで音源が見つかってますのでNHKにリクエストされてはどうでしょう? 再放送されるかもしれませんよ。

投稿: くじょう | 2011年11月25日 (金) 01時40分

ちょうど同じ時期にこちらのブログでも「掲示板のうた」懐古が話されていました。
http://yukiusagi.air-nifty.com/caetla/2011/08/post-66e0.html

投稿: 火の鳥草 | 2015年9月10日 (木) 13時15分

火の鳥草さま

コメントありがとうございます。熱中スタジアム懐かしいですね。『掲示板のうた』は音源が残ってなくて、楽譜しかない状態ですが覚えてらっしゃる方が多くて驚いています。確かに印象にのこる作品ですね!

投稿: くじょう | 2015年9月12日 (土) 08時51分

ようやくタイトルが分かりました。ポスターだと思っていたら掲示板でした。みんなの歌はよく見てました。デカチビノッポーとかさすがに動画はないですね。

投稿: てつ | 2016年12月 4日 (日) 09時37分

てつさま

コメントありがとうございます。このうたをお聞きだったのですね。ポスターが主役かと思いきや、それを支える掲示板の方が主人公なのでした。面白い発想のうたですね。もとの音源が見つかったようなので、是非きいてみたいです。「でか ちび のっぽ」も音源発掘!になってました。映像が未発掘なのが残念ですが…

投稿: くじょう | 2016年12月17日 (土) 09時20分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121873/52458430

この記事へのトラックバック一覧です: 【みんなのうた50年史】『掲示板のうた』(1962年):

« ドイツの太陽光発電コスト | トップページ | 一般的信頼と共感の働き »