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2011年8月31日 (水)

【みんなのうた50年史】『遠い世界に』(1975年)

1975年10-11月のうたの続きを紹介しましょう。イカロスの次は西岡たかしさんの『遠い世界に』です。この辺、有名な曲が次々に登場してきますね。

♪ 遠い世界に旅に出ようか
♪ それとも赤い風船に乗って
♪ 雲の上を歩いてみようか

オートハープの繊細な調べに乗って遠い世界に旅に出る…のが目的の歌ではありません。五つの赤い風船が連れていってくれる雲の上には太陽が出ています。爽やかな風も吹いています。

でもそこにとどまるのではなく、虹色の風をもらって帰って、故郷を覆う暗い霧を吹き飛ばしたい…。それが旅の目的なのでした。事態は思いのほか深刻と言わなければならないでしょう。

♪ 僕らの住んでるこの街にも
♪ 明るい太陽 顔を見せても
♪ 心の中はいつも悲しい

雲に隠れた僕らの国、日本。たまさか太陽が顔を出しても心が晴れることはありません。それは力を合わせて生きることをみんなが忘れてしまったから…

この歌の初出は1967年です。高度成長も後半戦に入り公害や過疎や過密など弊害も顕在化してきたころでした。1966年には一連の「黒い霧事件」が起き政治不信が高まっているころでもあります。

経済成長によって人々の絆が失われ、互いを信じることができなくなってきている。そんな時代に、若い力を身体に感じて、長い道を力の限り歩いていこうというこの歌が励みになったのでしょう。

古川タクさんのアニメーションは、まさに歩くという行為に焦点を当てています。長い道のりを力強く歩き続けるたくましい足。最後、「だけど僕たち、若者がいる」でしっかり地に足をつけて立ち止まり、前を見通す姿は足の描写だけで希望を感じさせる素晴らしい作品でした。

震災後のこの時期には、いかにも感があって抵抗もあるかもしれませんが、でもやっぱりこの時期に再放送してほしい一曲です。

『遠い世界に』
作詞:西岡たかし
作曲:西岡たかし
編曲:松田篝
うた:チューインガム
動画:古川タク
初回放送:1975年10-11月

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