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2011年8月28日 (日)

GDP、ジニ係数と知人信頼の散布図

対数変換された一人当たりGDPと知人信頼スコアの散布図は次のようになります。

Photo

これも一筋縄ではいかない形をしていますね。ぱっと見は右上がりで、一人当たりGDPが増えると知人信頼が増えるように見えます。パス解析による分析では一人当たりGDPから知人信頼へのパス係数はマイナスでGDPが増えるほど、知人信頼が減る結果になっていたのと逆の関係になっています。

ただ、もう少しよく見ると首を上げたアヒルのようにも見えます。アヒルの首からくちばしの部分をフランス、ノルウェー、イギリス、カナダ、オーストラリアといった欧米先進国が占め、アヒルの胴体を非欧米の国々(ただしイタリアを含む)という構図になっています。そしてペルーとルーマニアがアヒルの両足です。

アヒルの首だけを見ると一人当たりGDPと知人信頼は正の相関で、一人当たりGDPの高い国は知人信頼が高くなっています。この部分については社会関係資本論者が言う信頼と経済発展の関係が妥当しているようです。他方、アヒルの胴体はやや尻上がりで、この部分だけみると一人当たりGDPと知人信頼には負の相関が見られます。これらの国々については経済発展が知人信頼を阻害する効果が見られるようです。

このアヒルの首と胴体を構成する国々は、先述の汚職と知人信頼の散布図で汚職が少なかった国と多かった国にほぼ対応しています(チリだけが汚職が少ないのに胴体に位置している)。パス解析では汚職スコアと一人当たりGDPを同時に投入してパス係数を求めてますので汚職スコアの効果を統制すると、一人当たりGDPの負の効果のみが残るということなのかもしれません。

とはいえ、このように明らかに非線形な形のデータを線形モデルで分析していいのかという不安を感じさせる散布図ではありますね。グループ分けするとサンプル数が減りますし悩ましいところです。

Photo_2

ジニ係数と知人信頼の散布図は上のようになります。ジニ係数は経済的な不平等の大きさを示す指標で、大きいほど不平等であることを示します。これは明瞭に右下がりのグラフになりました。すなわち、ジニ係数が大きく経済的な格差が大きい国ほど知人信頼が低くなっています。他のグラフのように二つのグループに分かれたり、非線形な関係も見られないところからジニ係数と知人信頼の関係がここまでみた中では最も実質的な関連がありそうです。

とはいえ、前にも書いたとおり不平等が大きいと知人が信頼できなくなる理由を探すのは容易ではありません。階層が違う人と知り合いになっても信頼しにくいという事情があるのかもしれませんが、これも階層間の一般的な不信が背景にあっての話でしょうから、一般的信頼の不在を介した知人信頼の欠如ということになりそうです。

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