一人当たりGDPと生活満足度
世界価値観調査の中に「生活への満足」(Satisfaction with your life)の質問がありますので、これを使って55カ国の生活満足度を求めてみました。1点(とても不満足)から10点(とても満足)までの10点尺度で質問されてましたので、国ごとに平均をとって「生活満足度スコア」としてあります。5.5点が中間になるので、やや中途半端な尺度ですがそのつもりで見てください。
とりあえず、この生活満足度スコアと一人当たりGDPの対数値との散布図をつくってみると次のような右上がりのグラフになりました。相関係数0.64で一人当たりGDPが増えるほど生活満足度が高くなる傾向があることが分かります。左下にはエチオピア、ルワンダ、ブルキナファソといったアフリカの国々が並び、右上にはノルウェー、スイス、フィンランド、スウェーデンといった北欧・西欧の国々が並んでいるのもある程度予想通りといえるでしょう。
興味深いのは一人当たりGDPが中間(対数で3.5~4程度、実数で3000ドル~1万ドル程度)の国々で、生活満足度が大変高い国から大変低い国までバラエティに富んでいます。高いのはコロンビア、メキシコ、グアテマラ、アルゼンチン、ブラジルといった中南米の国々で、特にコロンビアは世界最高の生活満足度となっています。低いのは、ジョージアとモロッコを除けばブルガリア、ウクライナ、ルーマニア、セルビア、ロシアといった旧東欧~旧ソ連の国々で、アフリカ諸国と変わらない生活満足度となっています。
中南米の国々は一般的信頼や知人信頼は低いという特徴をもっているのですが、その一方で生活満足度は高いというのは興味深いですね。宗教の影響かもしれませんが旧東欧の国々にも正教徒が沢山いますし、ラテン系で楽天的なのかもしれませんが、ルーマニアとかは非常に生活満足が低く、スペインも中南米諸国ほど高くないということで、理由は簡単ではなさそうです。
ちなみに日本は左上の先進国グループの中では下の方ということになるようです。いろんなグラフをつくってみても大体このあたりが日本のポジションなのかもしれません。近くにはドイツやフランスやイタリアがいますので人口の多い先進国としては標準的な位置ともいえるでしょう。
生活満足度は幸福感の一つの指標としての意味合いを持つといえますが、一人当たりGDPと密接な関係があることが分かりました。一人当たりGDPが低いと生活満足度は低くならざるをえませんし、一人当たりGDPが高いとそこそこの生活満足度を確保できるようです。一人当たりGDPが中間程度の場合は生活満足度が高くなる可能性もあるし、低くなる可能性もあります。どちらになるかは一人当たりGDP以外の要因によって決まってくるのでしょうけど、グラフを見た限りでは地域的な要因が大きそうなことが分かりました。信頼研究との関連では、南米諸国に低信頼高満足がなぜなのか気になりますね。
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