【みんなのうた50年史】『あすなろ』(1962年)

曲の発掘が進んできた所で、60年代曲の紹介も再開しましょう。1962年6、7月の未紹介曲は『あすなろ』です。この曲も『ピノキオのうた』や『もしぼくが』、『掲示板のうた』といった曲も音源が見つかってますので、いずれオリジナルを耳にできるようになるでしょうね。

今回はビクターレコードバージョンで紹介していきましょう。さっき検索してみるとボーカロイドが歌ってるバージョンが沢山ヒットしました。そちらでもある程度雰囲気はわかりますが、レコード版の方がさらに重厚でスケール感がありますね。
♪ あすなろ あすなろ 明日はなろう
‥‥
♪ 大きな ひのきに 明日はなろう
ひのきに似てるけどひのきではないあすなろの木。ひのきになりたいけどひのきになれないと言われるあすなろの木。このあすなろの心情をダークダックスが荘重の歌い上げます。ふもとの村から見えるような大きなひのきになりたい。立身出世の願いといえるでしょう。
♪ あすなろ あすなろ 明日はなろう
♪ 峠を越える ひとたちの
♪ 夏は日かげに なるような
二番の歌詞が好きですね。夏の暑いさなか、汗をかきかき峠を越えていく旅人たち。その人たちに涼しい木かげを提供するような大きなひのきに私はなりたい。宮沢賢治のような願いを真理ヨシコさんがソロで歌います。声の質や伴奏の響きが大正時代の童謡のようでした。
3番は再びダークダックスのコーラスで小鳥たちの楽しい歌の巣になりたいという願いがうたわれます。単なる立身出世の歌ではないところに値打ちがありますね。
坂口さんは主に昭和10年代〜20年代に活躍された作詞家で『子鹿のバンビ』が有名です。森の中ですくすく育つ子鹿のバンビ。4番では弱いものいじめはしない心優しいバンビは、大きくなったら僕らの王様だと称えられていました。『あすなろ』とも共通したモチーフです。
♪ あすなろ あすなろ 明日はなろう
♪ 雨にも 風にも 負けないで
ダークダックスと真理ヨシコさんのが声を合わせて4番を歌います。雨にも負けず風にも負けず。やっぱり宮沢賢治ですね。空まで届くような大きなひのきに明日はなろう。1番より一回り大きな願いが込められます。たくさんの人々の幸せを願う大きな大きなひのきの木。なかなかそういうものにはなれないですが、なりたいという願いはもちたいものです。
多難な2011年も今日が最終日となりました。明日はもう2012年です。よき年に明日はなってくれますように!
追記:レコード版の男声コーラスは東京メールクァルテット、女声ソロは安西愛子さんが歌ってらっしゃるそうです。安西さんは「お山の杉の子」を歌ってらした方で、道理で童謡っぽい歌声だと思いました!
『あすなろ』
作詞:坂口淳
作曲:渡辺今朝蔵
うた:真理ヨシコ、ダーク・ダックス
映像:木馬座
初回放送:1962年6、7月
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