【みんなのうた50年史】『シャーロック・ホームズとワトソン博士 』(1975年)
♪ ステッキ片手に
♪ 馬車から降りる
♪ あれが噂の
♪ シャーロック・ホームズ!
谷啓さんの懐かしい歌声が去年の新春特番でながれてました。1975年10月初回放送の『シャーロック・ホームズとワトソン博士』です。50周年イヤーの発掘プロジェクトの先陣を切って、福島さんのおうちから映像が発掘された…と思ってたのですが、公式HPに発掘マークがありませんので、発掘プロジェクトの一環という位置づけではないようです。
それはともかく、1977年7月の再放送以来34年ぶりに映像が放送されたことには変わりありません。嬉しかったですね! 77年放送時の録音テープが残ってるので歌の方はおりにふれて聴いてたのですが、映像はすっかり忘れていました。あんな映像だったのですね。メモ魔のワトソン博士を押しのけて登場するホームズの格好いいこと!
お分かりかなワトソン君
ズボンの泥と
この道の妙な音との関係は?
歌の舞台には数あるシャーロック・ホームズ作品集から『赤毛連盟』が選ばれています。(赤毛連盟未読の方には以下ネタバレになります。ご注意を)
「求む、赤毛」の広告に応募した質屋のウィルソン氏は百科事典を書き写すだけで給料をもらえる仕事につきました。8週間後、Aの項目を終えてBの項目に入りかけて百科事典を写すのが楽しくなりかけたころ…。いつものように出勤したウィルソン氏はドアに「赤毛連盟は解散した」という張り紙をみつけました。中には誰もいません。がっかりしたウィルソン氏はホームズに相談にきます。
♪ 難問疑問怪事件!
♪ 迷宮入りもチョット待て!
ウィルソン氏の話に大笑いしたホームズたちがウィルソン氏の店に実地検分にきました。店で働くバイトに道をききながらステッキで地面を叩いたり、膝の泥に目をやったり…。謎解き知恵の輪、星が匂います。
お分かりかなワトソン君
奴は銀行泥棒するために
トンネルを掘ってたのだよ!
ウィルソン氏の店の隣にある銀行の地下金庫。そこに保管されている多額のナポレオン金貨が犯人たちの狙いでした。家から出ないウィルソン氏を外に引っ張りだす仕掛けが『赤毛連盟』で、その間地下で写真を現像するふりをしながらバイトがトンネルを掘っていた、という訳です。難問疑問怪事件! スラリと解いた摩訶不思議!
いやはや、確かに頭の冴えにはシャッポを脱ぎますね。動画でもワトソン博士が帽子を脱いでました。そして『赤毛連盟』をわずか2分余りの歌に凝縮した柴田陽平さんにも脱帽です。
♪ シャーロック・ホームズとワトソン博士
♪ 霧のロンドン 靴音高く…
一仕事終えて、バグパイプの音とともに去って行くホームズたち。比呂公一さんのメロディも最後までおしゃれで素敵でした。中学生の頃に聴いて、今でも印象に残っている作品です。
『シャーロック・ホームズとワトソン博士』
作詞:柴田陽平
作曲:比呂公一
歌手:谷啓
映像:福島治
初回放送:1975年12月
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コメント
ときどきおじゃましてます、fujiskです。
余計なことですが、この曲の作曲者・比呂公一氏の父親は、
歌っている谷啓と共にクレイジー・キャッツで活躍した
植木等です。たしか、1960年代末期には
歌手としてときどきテレビなどで見かけましたが
父親によく似た男前の顔立ちでした。
投稿: fujisk | 2012年1月30日 (月) 09時49分
fujiskさま
作曲者の比呂公一さんは植木等さんの息子さんなのですね。それは知りませんでした。谷啓さんとはゆかりが深い方ですし、縁というのは不思議なものですね。みんなのうたではこの曲だけの登場のようです。もっとあってもよさそうな気がしますが…
投稿: くじょう | 2012年1月31日 (火) 17時38分