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2012年1月29日 (日)

【みんなのうた50年史】『シャーロック・ホームズとワトソン博士 』(1975年)

♪ ステッキ片手に
♪ 馬車から降りる
♪ あれが噂の
♪ シャーロック・ホームズ!

谷啓さんの懐かしい歌声が去年の新春特番でながれてました。1975年10月初回放送の『シャーロック・ホームズとワトソン博士』です。50周年イヤーの発掘プロジェクトの先陣を切って、福島さんのおうちから映像が発掘された…と思ってたのですが、公式HPに発掘マークがありませんので、発掘プロジェクトの一環という位置づけではないようです。

それはともかく、1977年7月の再放送以来34年ぶりに映像が放送されたことには変わりありません。嬉しかったですね! 77年放送時の録音テープが残ってるので歌の方はおりにふれて聴いてたのですが、映像はすっかり忘れていました。あんな映像だったのですね。メモ魔のワトソン博士を押しのけて登場するホームズの格好いいこと!

お分かりかなワトソン君
ズボンの泥と
この道の妙な音との関係は?

歌の舞台には数あるシャーロック・ホームズ作品集から『赤毛連盟』が選ばれています。(赤毛連盟未読の方には以下ネタバレになります。ご注意を)

「求む、赤毛」の広告に応募した質屋のウィルソン氏は百科事典を書き写すだけで給料をもらえる仕事につきました。8週間後、Aの項目を終えてBの項目に入りかけて百科事典を写すのが楽しくなりかけたころ…。いつものように出勤したウィルソン氏はドアに「赤毛連盟は解散した」という張り紙をみつけました。中には誰もいません。がっかりしたウィルソン氏はホームズに相談にきます。

♪ 難問疑問怪事件!
♪ 迷宮入りもチョット待て!

ウィルソン氏の話に大笑いしたホームズたちがウィルソン氏の店に実地検分にきました。店で働くバイトに道をききながらステッキで地面を叩いたり、膝の泥に目をやったり…。謎解き知恵の輪、星が匂います。

お分かりかなワトソン君
奴は銀行泥棒するために
トンネルを掘ってたのだよ!

ウィルソン氏の店の隣にある銀行の地下金庫。そこに保管されている多額のナポレオン金貨が犯人たちの狙いでした。家から出ないウィルソン氏を外に引っ張りだす仕掛けが『赤毛連盟』で、その間地下で写真を現像するふりをしながらバイトがトンネルを掘っていた、という訳です。難問疑問怪事件! スラリと解いた摩訶不思議!

いやはや、確かに頭の冴えにはシャッポを脱ぎますね。動画でもワトソン博士が帽子を脱いでました。そして『赤毛連盟』をわずか2分余りの歌に凝縮した柴田陽平さんにも脱帽です。

♪ シャーロック・ホームズとワトソン博士
♪ 霧のロンドン 靴音高く…

一仕事終えて、バグパイプの音とともに去って行くホームズたち。比呂公一さんのメロディも最後までおしゃれで素敵でした。中学生の頃に聴いて、今でも印象に残っている作品です。


『シャーロック・ホームズとワトソン博士』
作詞:柴田陽平
作曲:比呂公一
歌手:谷啓
映像:福島治
初回放送:1975年12月

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2012年1月26日 (木)

【源平合戦の虚像を剥ぐ】第一章 武士再考

大河ドラマの影響でしょうか、<源平合戦の虚像を剥ぐ+内容>で検索する人がちらほらいらっしゃいますね。せっかく久しぶりに源平時代のドラマをやってるので、簡単に内容を紹介してみましょう。

第一章「武士再考」では武装した在地領主というより、馬上からの射芸=弓馬の芸という特殊技能を身につけた専門的な職業戦士として都で発達した武士の姿が紹介されます。

これは10世紀ごろから増加した地方からの貢納物を略奪する神出鬼没の盗賊集団の対抗する機動力を中央政府側がもつ必要性から発達したというのが、著者の河合さんの見たてです。武士が身に付ける大鎧を生産できる拠点が当時京都にしかなかったことが傍証にあげられています。確かに言われてみればどこでもやたらにつくれる代物ではないですね。

重さ20kgの大鎧を身に付け馬に跨がります。大鎧の重さの半分は馬にかかる仕組みなので馬も大変です。全力疾走できるのはほんの限られた時間だったようですね。ここぞというときに馬を走らせたのでしょう。

右手で弓を引き絞って、ビュンと放つ。矢は馬の進行方向やや左手に飛んでいきます。すれ違いざまに矢を放つとするならお互い相手の右側を通過しなければなりません。右側通行は戦闘モードで左側通行は非戦闘モードだったのかもしれません。

ただ、すれ違いざまに矢を鎧の隙間に命中させるのは至難の技です。一番確実に相手を仕留められるのは、相手の右側後方につけて騎射するケースになります。逆に相手に右後ろを取られると絶体絶命。素早く馬首を右に巡らせ、相手の右側に逃れなければなりません。

このように両手で弓を引きつつ自在に馬を操り、ポジション取りを争う技術は確かに特殊な専門技能というべきで、一朝一夕に身につくものではないでしょうね。

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2012年1月25日 (水)

[メモ]吾妻鏡現代語訳

吾妻鏡の現代語訳は出てるのですね(http://www.yoshikawa-k.co.jp/news/n546.html)。

吾妻鏡の原文はこちらで読めるようです(http://www5a.biglobe.ne.jp/~micro-8/toshio/azuma.html)。

玉葉の現代語訳がないのは残念ですけどね。

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2012年1月23日 (月)

愛されて50年♪みんなのうたリクエスト大全集!

公式HPに告知されてました。ラジオ第一で3夜連続生放送するそうです。

2012年2月10日(金)
1960年~1970年代特集
 【第一部】20:05~20:55
 【第二部】21:05~21:55

2012年2月11日(土)
1980年~1990年代特集
 【第一部】20:05~20:55
 【第二部】21:05~21:55

2012年2月12日(日)
2000年代&50年総括特集
 【第一部】20:05~20:55
 【第二部】21:05~21:55
 【第三部】22:15~23:00

「発掘スペシャル」ではなくて「リクエスト大全集」というのが微妙ですね。

各年代50分でトーク入りだそうですから実質40分弱で15、6曲というところでしょうか。発掘の成果が大きい60、70年代が30曲ほどですが、発掘曲をリクエストする人は少ないでしょうからリクエスト「など」の枠で流れるとして発掘曲は最大10曲ほどかもしれません。

あと三日目の総括特集が95分あるので、そこでフルに流してもらえると30数曲になるでしょうか。そちらが発掘枠であることを期待したいです。

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2012年1月22日 (日)

杉並児童合唱団ニューイヤーコンサート

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昨日はみんなのうた仲間のるんるんさんのお誘いで杉並児童合唱団のニューイヤーコンサートにいってきました。武蔵野市民会館が会場です。三鷹駅から徒歩15分ぐらいなので、うちから遠くないのですが来るのは初めてです。

杉並児童合唱団は1964年の創立で、みんなのうたにも『グリーングリーン』や『地球を七回半まわれ』など36作品をうたっています。最近では『夢人』で谷村新司さんと共演してるようですが、みんなのうたの公式HPには記載がないですね。実際には36曲以上、うたっているのかもしれません。

昨日のプログラムは
第一部 カンタービレ
~中山知子作品集より~
第二部 杉並ポピュラー
~アプローズ vol.7~
第三部 杉並ミュージカル
『かさじぞう』
でした。中山知子さんもみんなのうたで沢山作詞されていて縁の深い方です。

第一部冒頭の『トリッチトラッチポルカ』でいきなり時計の針が回転するように両手を回す振り付けがあってびっくりしました。るんるんさんによると、これが現在の杉並児童合唱団のスタイルなのだそうです。メンバーも幼稚園児から大学生まで多彩でいまや「児童」合唱団という訳ではないようです。

『小鳥の結婚式』『小さなカレンダー』とみんなのうたナンバーが続いたあと、小学生メンバーが退出しおそらく高校・大学メンバーによる『エストレータ』の合唱。メジャーセブンス系の繊細な和音を透明感溢れる歌声で表現する技はさすがですね。そして『美しき青きドナウ』の大合唱。まさにニューイヤーコンサートです。

第二部は『ロシアより愛をこめて』や『シング』といったお馴染みの曲を集めたポピュラー音楽集でした。プログラムの写真のようにステージいっぱいの振り付けで歌います。

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『プリーズミスターポストマン』とか先日個人的に練習したばかりの曲があって奇遇でした。『ポストマン』とちょっと大人びた雰囲気で、次の曲は小さい子も加わってやはり大合唱に。センターで踊っていた3人のダンスがうまかったですね。しなやかでかつ切れがあって…

第三部は雰囲気ががらっと変わって『かさじぞう』のミュージカルです。大晦日に町に傘を売りにいくのだけど、一つも売れないおじいさん。かんざしは人気でどんどん売れるのに…。町のシーンで沢山の子供達が登場しました。輪になって座ってお手玉してる子たちも。結構うまかったので相当お手玉の練習もしたのかもしれませんね。かんざし売りのエピソードはオリジナルなのかな。

帰り道、お地蔵さまに傘と蓑とかんざしを供えるおじいさん。お地蔵さまたちが可愛かったです。おじいさん役の女の子も芸達者ですね。ここ何年間かミュージカルの主役を続けてらっしゃるそうなので、いずれ名のある方なのでしょう。伸びやかな歌声も素晴らしいです。

夜中、お地蔵さまたちがタイやお米や着物をどっさり届けてくれました。一緒にあったかんざしを見て、お地蔵さまの贈り物と気づいたおじいさん。お地蔵さまに感謝しながら、ひときわ大きな声で

「今年はきっと良い年になるぞ!」

本心からのセリフだったのでしょう。こちらの気持ちも明るくなりました。本当に良い年になりますように。祈りながら大勢の小さなお地蔵さんたちが登場して賑やかにフィナーレです。

実に楽しいコンサートでしたね。杉並児童合唱団の皆さん、お疲れ様でした。楽しいひと時をありがとうございます!

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2012年1月19日 (木)

【みんなのうた50年史】『調子をそろえてクリック・クリック・クリック』(1962年)


♪ 今日も朝から一日中 ハサミの音も軽やかに
♪ 羊刈るその仕事場に 山なす白いその巻き毛!

お馴染みの陽気なメロディですね。1962年10月初回放送の『調子をそろえてクリック・クリック・クリック』はDVD第1集にも収録されていて、初期みんなのうたの中では映像をいつでも楽しめる貴重な作品です。

公式HPでは「オーストラリア民謡」となってますが、このページ(http://www.geocities.jp/ezokashi/english/e_clickgotheshears.html)によると原曲はヘンリー・クレイ・ワークの作曲だそうですね。そう、『大きな古時計』の作者です。古時計とは全然印象が違う曲想で意外に感じました。でも、そう言われて見ると「今は、もう、動かない」と「調子をそろえてクリック、クリック、クリック」は似ていなくもありませんね。

ワークの原曲は1865年発表の『Ring the Bell, Watchman!(見張りよ、鐘を鳴らせ)』です。このページ(http://www.mudcat.org/@displaysong.cfm?SongID=4969)に英語の歌詞が載っています。高い鐘楼の上で年老いた寺の管理人が栄光の鐘が鳴るのを待っている。見張りよ、勝利の鐘を鳴らせ!鳴らせ!鳴らせ! といった大意ですね。1865年という時期を考えると南北戦争を歌ったものなのでしょう。この鐘はひょっとしたら奴隷解放の鐘、自由の鐘なのかもしれません。羊を刈るハサミの音とはえらい違いです。

このメロディはイギリスに渡ってシーシャンティ(イギリスの船乗り歌)の一つになりました。『Strike the Bell Second Mate(鐘を打ち鳴らせ、二等航海士よ)』です。このページ(http://chivalry.com/cantaria/lyrics/strikebell.html)の歌詞によると、今度は嵐を告げる地獄の鐘のようです。凍傷を負った舵取り手も、優男の船長も帆をたたもうと待ち構えている。二等航海士よ、鐘を打ち鳴らせ!打ち鳴らせ!打ち鳴らせ!

このメロディをオーストラリアに持ち込んだのはイギリスの船乗りだったのでしょうか。勝利の鐘、嵐を告げる鐘の音はオーストラリアの基幹産業、羊毛業のハサミの音に読み替えられました。このページ(http://folkstream.com/022.html)によると元は『羊の毛の刈り方』で腹、首、肩、角まわりとすばやくハサミを滑らせていくさまを歌ったようです。

1946年に記録された『Click go the Shears(ハサミをチョキンと鳴らせ)』では年老いた職人が素早く毛刈りするさまを、親方が鋭い視線で刈り残しがないかチェックし、タール係りの少年が真っ黒のタールを毛刈りの済んだ羊に塗っていきます。仕事がすめばその日の稼ぎを手にパブへ繰り出し大騒ぎという、まことに愉快で臨場感溢れる歌詞になっています。

これを音羽たかしさんが子供向けの歌詞に翻案し、ペギー葉山さんがユーモアたっぷりに歌いあげることで、南北戦争の戦勝歌は楽しい羊刈りの歌になったのでした。

♪ 自慢のその手で鮮やかに
♪ たちまち羊は丸裸!

『調子をそろえてクリック・クリック・クリック』

作詞:音羽たかし
作曲:オーストラリア民謡
うた:ペギー葉山、西六郷少年少女合唱団
編曲:若松正司
映像:実写
初回放送:1962年10,11月

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2012年1月18日 (水)

大体できた

学会の報告要旨が大体できたので一安心です。たまには学会発表しないとね。

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2012年1月15日 (日)

初対面信頼とGDP内訳

一人当たりGDPの内訳についてみてみました。先進国では第3次産業の占める割合が高く、中でも金融・不動産等が一人当たりGDPの半分に達していました。他方、新興国や途上国では金融・不動産等の占める割合はずっと小さく、途上国では2割程度にとどまっています。他方、第1次産業は先進国でも途上国でも一人当たり生産額はあまり変わらず3~6万円程度でした。その結果、途上国では第1次産業が一人当たりGDPに占める割合が11%と比較的高くなる一方で、先進国では2%程度と小さくなっています。

次に初対面信頼とGDP内訳との関係を見ていきましょう。世界価値観調査第5波の初対面信頼のデータとGDP内訳のデータの両方がそろっている国は少なくて24ヶ国しかありませんでした。それでもある程度の傾向は見て取ることができます。(ちなみに日本は初対面信頼のデータがないので以下の分析には登場しません)

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初対面信頼との相関係数を見ると、金融・不動産等が最大で0.76となっています。以下、運輸・通信等の0.73から流通・飲食等の0.68まで0.7前後の値が続き、製造業が少し下がって0.65、農林水産業が大きく下がって0.47となりました。これから、初対面信頼と最も関連が深いのは先進国で特に割合も絶対値も大きい金融・不動産等で、その他の第3次産業や第2次産業がこれに次ぎ、第1次産業は初対面信頼とは最も関連が薄いということがいえそうです。

この関係を散布図にして確認してみましょう。初対面信頼と一人当たり第1次産業生産額の散布図はこのようになります。横軸が初対面信頼でプラスならどちらかというと初対面の相手を信頼することを示し、マイナスならどちらかというと信頼しないことを示します。縦軸が一人当たり第1次産業生産額で単位はドルです。

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図のように、初対面信頼と一人当たり第1次産業生産額にははっきりした関連は見られません。一人当たり第1次産業生産額自体、国による違いがあまり大きくなくて中国や韓国、ロシアとアメリカやスイスといい勝負ですし、イギリスやドイツはやや低くなっています。ただ、初対面信頼が高いオーストラリアやフィンランドの一人当たり第1次産業生産額が高めになっている分、0.47の相関となっているようです。(この2国をはずすと0.30の相関)

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初対面信頼と一人当たり第2次産業生産額との散布図は上のようになります。これははっきり右上がりの配置となり強い正の相関が見られます(r=0.70)。一人当たり第2次産業生産額は途上国・新興国と先進国の間に明瞭なギャップがあり、途上国・新興国では初対面信頼が低く、先進国では初対面信頼が高い傾向があるのが強い正の相関が見られる原因でしょう。

ただし、それぞれのグループについてよく見ると先進国のグループの中では初対面信頼と一人当たり第2次産業生産額の間にやかり正の相関が見られるものの(r=0.50)、途上国・新興国グループの中では負の相関が見られます(r=-0.67)。初対面信頼と第2次産業との関係は単純なものではないのかもしれません。

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同様の関係は初対面信頼と一人当たり第3次産業生産額との間でより明瞭に見られます。途上国・新興国グループと先進国グループとのギャップは第3次産業でより大きくなり、そのため初対面信頼と一人当たり第3次産業生産額の相関係数はr=0.75とより大きくなりました。

一方、先進国グループの中では初対面信頼と一人当たり第3次産業生産額の相関係数はr=0.66で依然として正の相関が見られるものの、途上国・新興国グループの中ではr=-0.70の強い負の相関となっています(ちなみに、韓国は第2次産業では先進国グループに入りますが、第3次産業については新興国のグループに入るようです)。

途上国・新興国と先進国では初対面信頼と一人当たりGDPの関係が特に第2次産業、第3次産業については異なっているようですね。そしてこの傾向は第3次産業の方が顕著です。途上国・新興国の段階では第2次、第3次産業の発展による経済成長のプロセスは初対面信頼を阻害する方向に働くのかもしれません。

他方、第3次産業がGDPの主流を占めるようになる先進国では、第3次産業の発展が初対面信頼を改善する方向に働くようにみえます。あるいは初対面信頼の向上が金融業やサービス業の発展を促すのかもしれません。これらの点について確認していく必要がありそうです。

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2012年1月11日 (水)

一人当たりGDPの内訳

一般的信頼と一人当たりGDPの間に正の相関があることと、詳しく見ると中程度の一人当たりGDPの国では一般的信頼が低いくなるU字型の関係であることを前に紹介しました。GDP(国内総生産)は国内で生産された最終財やサービスの総額ですが、このうちどの財やサービスの生産が一般的信頼の水準と関連が深いのでしょうか。それが分かると、GDPと信頼の関係についてもう少しよく分かってくるはずです。

ここでは手始めに一人当たりGDPの内訳をみてみることにしましょう。総務省統計局HPの「世界の統計」に32ヶ国の経済活動別粗付加価値構成比のデータが出ています。これの2009年のデータを用いて各国の一人当たりGDP内訳のグラフを作成してみました(単位ドル)。

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一人当たりGDPの大きい順に並べてありますが、スイスがトップで欧米諸国が上位に並んでいます。日本はこの中では11番目ですね。先進国ではどの国も「金融・不動産等」が5割前後を占めています。1ドル80円換算で先進国平均(スイスからスペインまで)を求めると一人当たり164万円にあたる効用がこのセクションで生み出されている計算になります。

先進国で次に多いのが「鉱工業」で一人当たり58万円程度の生産、「製造業」と「流通・飲食等」が46万円、43万円程度の生産で続いています。他方、農林水産業の第1次産業は先進国平均で一人当たり5.6万円の生産にとどまっていました。第1次産業は少ないだろうなとは思ってましたが、それにしても予想外の少なさでいささかびっくりです。

逆に金融・不動産等が先進国を通じて半分を占めるのもやや意外でした。金融というのは当座の資金に余裕のある家庭や企業から資金の不足する家庭や企業に資金を融通することで資金の有効利用を図るという働きがあって重要なのですが、資金の有効利用によって国富が倍になるほどの効果があるものなのでしょうか。このセクションについては付加価値の求め方など、もう少し調べてみる必要がありそうです。

第1次~第3次産業という形で構成比を集計してみると、先進国平均で第1次産業が2%、第2次産業が34%、第3次産業が64%となります。この比率自体は産業別人口比率と大体同じで割と納得できる数字になるのですが、人口比で15%ほどの金融・不動産が金額で50%を占めているのはこう集計すると見えなくなりますね。

上のグラフではブラジルからガクンと一人あたりGDPが少なくなります。ブラジルから南アフリカまでが新興国といえるでしょうか。普通は中国やインドも新興国に含めますけど、一人あたりGDPからみると両国とも新興国というより途上国の水準です。農村部の膨大な貧困層のなせるわざでしょう。

ブラジルから南アまでGDPの内訳も似たような構造になっています。全体に先進国より値が小さいのですが、金融・不動産のセクションが小さいのが目に付きますね。6ヶ国で新興国平均を求めてみると一人あたり24万円となりました。鉱工業が16万円、製造業、流通・飲食業がともに11万円で順番は先進国と変わらないものの、金融・不動産との差は先進国ほどついていません。

新興国と先進国との違いをみると金融・不動産のセクションでは6.8倍の違いが見られます。これが鉱工業では3.6倍、製造業で4.1倍、流通・飲食業で3.8倍となり3~4倍の違いが見られるのですが、金融・不動産では7倍近い違いとなり、金融市場の発達が新興国と先進国の主な相違点であることが分かります。

タイからインドまでを途上国として平均を取ってみると、金融・不動産のセクションは5万円となりました。先進国・新興国との差が顕著ですし、鉱工業が8万円ですから途上国の中でもトップのセクションではなくなっています。製造業が4万円、流通・飲食が3万円ですから金融・不動産とほとんど違いません。農林水産業も3万円で、途上国においては他のセクションと並ぶ主要セクションといえるでしょう。逆にいうと他の産業セクションが農林水産業と同程度の付加価値しか生産していない点が途上国の特徴といえるかもしれません。

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2012年1月 8日 (日)

東京大神宮

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飯田橋の近くに東京大神宮があります。何年か前にいったときは静かだったのですが、最近は「縁結びのパワースポット」として人気がでています。

「東京のお伊勢さん」というキャッチフレーズもあって昨日のぞきにいったところ、すごい行列ができてました。どうも土曜日は多いらしいですね。「伊勢のお伊勢さん」に参ってきたばかりなのでこちらはいいことにして退散してきました。

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2012年1月 5日 (木)

【みんなのうた50年史】『鳩笛』(1974年)

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♪ 鳩笛は 日の暮れの音色
♪ 忍び寄る 冬の足音

この曲を初めて聞いたのは大学生のころです。74年の本放送を聞いた記憶はなくて、大学のころに買ったみんなのうたのカセットテープで初めて聴きました。

津軽平野を吹き渡る風のようなイントロ。そして透明感と郷愁あふれるメロディーラインをすっかり気に入ってしまったのを覚えています。

ソドファミソー(鳩笛は)
ソソシ♭ーシ♭(日の暮れ)
ラソファソー (の音色)

いきなりドファソのサスフォーの和音を駆け上がり、ドミソの和音に解決します。ソに全音でぶつかるファの音が一瞬の浮遊感を醸し出してますね。

解決したと見る間に繰り出されるシ♭の響き。これがとてもノスタルジックです。楽譜をみると、ドシ♭レファの和音が当ててあります。基音のドに全音でぶつかるシ♭の音。フラットがかかる分、さきほどのファよりも異空間の響きがします。おそらくこれが過去から時を越えて響いてくる鳩笛の音を表しているのでしょう。

岩木山が雨にけぶる冬もちかい日、遠い国に旅立っていった友。形見の鳩笛が当時の思い出にいざなってくれます。

♪ 鳩笛を くちびるにあてる
♪ 思い出は 雲と流れて‥

伴奏がそれまでのアルペジオから8ビートを刻み始めました。気持ちの高鳴りとともに、ラドミ→ソ♯ラドミ→ソラドミ→ファ♯ラドミとラから半音ずつベースが下がっていきます。過去への回帰を表す分数進行なのでしょう。

そして数々の思い出が溢れ出すラド♯ミソの和音。ド♯の働きでラド♯ミソ→レファラ→ソシレファのドミナント進行が動き始めました。想いは現在に戻り雲と流れていく思い出たち。サスフォーの繰り返しがたゆとう雲と心の高ぶりを示しているようです。

♪ 鳩笛に 涙する人よ
♪ 君もまた 津軽生まれか‥

作詞の清水さんは津軽生まれというわけではなく浜松の方だそうです。でも鳩笛のやさしい音色に心ひかれ、そっとくちびるに当てているうちにふと、この詩句が心に浮かんだとテキストの解説に書いてらっしゃいました。「急いでそれをメモして、あとで読み返してみたが、素直にうけとめられるものだった」

この詩に、東京生まれの長谷川さんが巧みな技巧を凝らしつつそれを感じさせない美しいメロディーをつけることで、弘前生まれの素朴な鳩笛は多くの人の心を打つ歌に生まれかわったのでした。

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『鳩笛』
作詞:清水みのる
作曲:長谷川きよし
編曲:乾裕樹
うた:長谷川きよし
映像:林静一(イラスト)と実写
初回放送:1974年12-1月

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2012年1月 3日 (火)

プライス方程式への道

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今朝の新聞に『親切な進化生物学者 ジョージ・プライスと利他行動の対価』(ハーマン 2010)という本の広告が載ってました。集団選択モデルの基本方程式である<プライスの共分散>を導いたジョージ・プライスの伝記のようです。

さっそく検索してみましたが、プライスって共分散法の論文を書いたあとホームレス同然の死に方をしているのですね。そんな壮絶な生涯だったとは‥。

n人の協力を可能にする集団選択のメリット、デメリットを簡潔な数式で表したプライス方程式は私の研究にとっても欠くことのできない基本方程式です。プライスの伝記、謹んで読まさせていただきましょう。

原題は"The Price of Altruism"でPriceが「プライス」と「価格」の掛け言葉になっています。日本語ではその辺をうまく表現するのは難しいですね。

『親切な進化生物学者』目次

プロローグ

第I部
第一章 戦争か平和か
第二章 ニューヨーク
第三章 淘汰
第四章 放浪
第五章 友好的なヒトデと利己的なゲーム
第六章 奮戦
第七章 さまざまな解決策
第八章 容易な道はない

第II部
第九章 ロンドン
第一〇章 「偶然の一致による」回心
第一一章 「愛の」回心
第一二章 清算
第一三章 利他行動
第一四章 最後の日々

エピローグ

謝辞
訳者あとがき
付録
共分散と血縁淘汰/完全なプライスの方程式と淘汰のレベル/共分散とフィッシャーの基本定理
原注
索引

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2012年1月 2日 (月)

今日の牛松山

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今日は朝から雪雲が入り込んで時雨がちの天気でした。いっとき晴れ間が出たので雪雲に覆われた牛松山をパチリ。こういうのもいいでしょう。

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2012年1月 1日 (日)

謹賀新年

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

本当は初日の出ではなく、先日伊勢で撮った写真です。でも、新年の巻頭を飾るにふさわしい清々しさだと思います。こんな感じの年になるといいですね!

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むべ

むべの実物を初めてみました。

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あけびに似てますね。でも実が割れないところと常緑で冬でも葉が落ちないところがちがっています。これはなかなか色つやの良い実でした。

割ってみるとこんな感じです。

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あけびより果肉の部分が多い気がしますね。でも種が大半で食べるところがほとんどない所はあけびそっくりです。スプーンですくって食べてみるとほんのりした甘みが。そこはかとなく美味でした。

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