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2012年4月21日 (土)

【みんなのうた50年史】『サモア島のうた』(1962年)

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♪ 青い青い空だよ 雲のない空だよ
♪ サモアの島 とこなつだよ

底抜けの明るいメロディ。爽やかな歌声。南太平洋の真っ青な風景を思わせる作品が、日本放送協会編、NHKみんなのうた第1集の第1曲を飾っています。みんなのうたの1丁目1番地に相応しい曲ですが、結構いわくのある作品でもあります。

放送協会編楽譜集の1曲目はもともとは『歌えばたのし』(1963年)で、著作権の関係で掲載できなくなったあと『サモア島の歌』が1曲目に抜擢されたという歴史があります。それはまあいいのですが、どうもこの歌はサモア島ではほとんど知られていないようなんですね。

水星社の楽譜集によると『サモア島の歌』はNHKの南太平洋取材班が実際にサモア島に行って記録したものでこどもたちが「踊るような身振りで元気一杯歌います」と記されています。しかし、こちらのブログ(http://www.totochaka.com/2012/02/21/サモア島の歌/)によると、15年ほど前にNHKで、サモア島の人にこの曲のテープを聴いてもらったところ知っている人がほとんどいなかったという内容の番組が放送されていたそうなのです。

NHKアーカイブスで検索してみたところ、確かに「世界・わが心の旅 サモア島の歌 ふたたび 旅人 畑中幸子」という番組が1997年5月10日に放送されていました(http://cgi2.nhk.or.jp/chronicle/sp/detail.cgi?B10001200999705100130139&n=15&q=サモア&o=1&np=20&or=t)。う~ん、まさしく15年前。渋谷の放送センターにいくと視聴できるはずですが、番組紹介をみると文化人類学者の畑中幸子さんが大学院生のころ西サモアのサバイイ島で発掘したのがこの曲なのだそうです。

前述のブログによると『サモア島の歌』をつくったのは現地の小学校の校長先生。学校対抗運動会の応援のためつくった曲をNHK取材班(畑中さん?)が耳にし、日本に持ち帰ったもののようです。作者の校長先生はこの曲が日本で広く知られていると知ってとても驚かれたとのこと。うたの運命というものは分からないものですね。

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♪ 風は吹~く~静かなう~み~
♪ 鳥は飛ぶ飛ぶ波間をゆ~く~

番組の最後ではポリネシア語のオリジナルバージョンを小学校の子供たちが合唱したそうです。きっと素敵な光景だったことでしょう。渋谷まで見に行きたくなりました。

『サモア島の歌』
作詞:小林幹治
作曲:ポリネシア民謡
編曲:小林秀雄
うた:東京放送児童合唱団
映像:(実写)
初回放送:1962年10-11月

画像は水星社楽譜集より

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コメント

「サモア島の歌」ブログを書いた者です。番組の最後を飾った小学校の生徒達のポリネシア語の明るい歌声は心に響くものがありました。何度もビデオを見返しました。機会がありましたら、是非ご覧になってください。

投稿: T・O | 2012年7月13日 (金) 18時32分

T.Oさま

ご訪問ありがとうございます!
サモア島のうた、現地で昔から歌われている曲だと思ってました。近年の創作だったとは…。「わが心の旅」という番組のことも知りませんでした。貴重な情報ありがとうございます。でも、ほんとにサモア島らしい、明るくて元気がでるうたですよね。時間がとれたら渋谷のアーカイブスに見に行ってみます。楽しみにしています!

投稿: くじょう | 2012年7月21日 (土) 22時46分

サモア島の歌を仕事で使うことになり、調べていたら、こちらにお邪魔しました。とても参考になりました。ありがとうございました。

投稿: hutotaro | 2012年8月 1日 (水) 15時33分

hutotaroさま

コメントありがとうございます。『サモア島のうた』子供のころから馴染んでいた割に、調べてみると知らないことが多くて面白いですね。何かの番組でお使いになるのでしょうか。参考になれば幸いです。

投稿: くじょう | 2012年8月 2日 (木) 10時57分

小鳩くるみさんの歌を見つけました。
ご存知でしたか?

http://www.youtube.com/watch?v=qYYYXqGrBIE&feature=related

投稿: るんるん | 2012年8月28日 (火) 09時50分

以前に、まねっこまねちゃんの歌のコメントを書いたものです。ああ、この歌も覚えてますね。懐かしい。好きな歌でした。よく歌ってました。

記憶にある歌詞は以下の通り。

>>>>>>>>>>>>>
白い白い椰子だよ 大きな大きな椰子だよ
僕らの島 とこなつだよ
広い広い海だよ 大きな大きな海だよ
僕らの島 楽しい島よ

かぜがふく くさな海
鳥が飛ぶ飛ぶ波間をゆく

ララすらびごえ、ララふーりごえ
ララみんなの声を 追いかける
>>>>>>>>>>>>>


歌詞の意味はよく分からないまま歌っていたのでしょうね。「とこなつ」という言葉の意味は、それから数年後に知ったのだと思いますが、「くさな海」とか「すらびごえ」とかは、未だに意味の分からないままです。(^^;)

だいたい「白い椰子」ってどんなんだ???

投稿: かず | 2015年1月17日 (土) 15時39分

かずさま

再度のコメントありがとうございます。最近、みんなのうたも発掘が進んで何十年ぶりの再放送…なんて曲も沢山出てきてありがたいことです。何十年かぶりに聴いてみて、こんな歌詞だったっけ…と思うことも増えてきました。先日も『夢急行で15分』の1番と2番を取り違えて覚えていたことが判明しました。

『サモア島のうた』も1番と2番、あるいはその中でも似てるけど微妙に違うフレーズがあってごっちゃになりやすいですね。「白い椰子」は1番の「高い高い椰子の木、大きな大きな椰子の木」と1番の繰り返し「白い白いきれいな浜辺の広場だ」が混じったものでしょう。「くさな海」は「静かな海」、「ララすらびごえー」は「ララ船出を祝い無事を祈る」の聞き間違いでしょうか。でも、おおむねあっていると思いますよ!

投稿: くじょう | 2015年1月21日 (水) 08時41分

興味深い記事、ありがとうございます。
「サモア島の歌」について、不可思議な事柄があります。
現在(H28.8)、「ジャングル・ブック」というディズニーの映画が公開されていますが、その中の曲がこの「サモア島の歌」に酷似しています。ネットで調べると、元々ディズニーのアニメ映画「ジャングルブック」の中で、テリー・ギルキソンという方が1964年に作曲した「The Bare Necessities」という曲が元だとされています。(原曲はあまり似ていないような・・・)
そこで、ひょっとしてサモア(当時はアメリカの委任統治領)でこの曲を聴いた方が、たまたま歌っていたのをNHK取材班が聞いたのではとの疑問が生じたのですが、「サモア島の歌」の作曲年が貴サイト題名には1962年とありますので、テリー・ギルギソン氏が逆にサモアでこの曲を聞いたか、又は異常な偶然か、どちらかという事になってしまいます。
とにかく良く似ているので、他にも「ジャングルブック」に「サモア島の歌」が使われているのかと思った人は居るようです。http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13158834853

投稿: | 2016年8月22日 (月) 10時43分

スレ主殿でもないのに、差し出がましくはありますが。

誠に失礼とは存じますが、もし原曲との比較だとすると、どこがどう「似ている」のか、何度聞き比べてもまったく理解できないのですが。ルイ・アームストロングのレコードも持っていますが、南洋の民謡のアレンジ臭はまったく感じられず、純然たるジャズ調の曲で、「似ている」と言う方は、「サモア島」の原曲自体をご存知ないか、または完全なうろ覚えなのではないかと思います。それとも日本語版で、昔の子供向けディズニーランド・レコードのように、「ベア・ネセスィティ」の部分を日本人が勝手に変えて「作曲」してしまっている、まったく別ヴァージョンのことを言っておられるのでしょうか。もしそうだとすれば、そうしたものは聞きたくもなし、聞いてもおりませんので、謹んで先走りをお詫びしますが。

投稿: KPO | 2016年8月22日 (月) 12時17分

前のコメントの続きですが、現在公開されているという「ジャングル・ブック」というのは、ひょっとしてリメイクなのでしょうか。もしそうでしたら、どんな原型を留めないアレンジがなされていようと、それは別の問題なので、重々お詫びして前コメントは取り消させて頂きます。
今の「ディズニー」にはまったく疎い身ですので。平にご容赦のほどを。

投稿: KPO | 2016年8月22日 (月) 12時30分

2016年8月22日 (月) 12時17分 投稿者様
ご意見ありがとうございます。

「The Bare Necessities」の原曲を聞いても確かにどこが似ているのか分かりません。
「The Bare Necessities」が原曲ではないかと言っている方は、ヤフー知恵袋の投稿者の方なので、「The Bare Necessities」が元かどうかは私にも全く分かりません。

しかし、ジャングルブックの予告編がネット上で公開されています。(https://www.youtube.com/watch?v=OIxyfN-9fWU)
その中の1分29秒から1分36秒迄のサウンドトラックが、「青い青い空だよ 雲のない空だよサモアの島 常夏だよ」の部分とそっくりです。弊職は実際に昨日映画を見て来ましたし、この「サモア島の歌」も聞きましたが、この部分は同じとしか思えません。後に楽譜が発売されればハッキリするとは思いますが・・・
(ディズニー曲は、良く子供向けピアノ楽譜などで、河合楽器などで手に入ります)


取り敢えず、上記箇所をご再生・ご確認下さいませ。

投稿: 8時41分投稿者 | 2016年8月22日 (月) 14時22分

興味深い情報ありがとうございます。動画見させて頂きましたが、♪ソソソソラソミミ、レドレドミドラ という出だしの動機が同じですね。「The Bare Necessities」も同じ動機を使ってますので、映画の挿入曲は「The Bare Necessities」なのでしょう。ただ、そのあとは違うフレーズになってますので、似ているかと問われると微妙…と言わざるをえないですね。

『サモア島のうた』の放送が1962年なのでNHK取材班がサモアで耳にしたのはそれ以前ということになります。「The Bare Necessities」はウィキペディアでは1967年リリースとなってますからTerry Gilkysonhがどこかで『サモア島のうた』を耳にして、南国風の動機を一部用いて作曲したということは、時間の順序としてはありえるでしょう。

ただ SoundHound midomi というアプリで上記の動機を検索すると、それっぽい動機を使った曲が何曲かヒットしますので、偶然の一致という可能性もあるかと思います。真相はどうなのでしょうか。

投稿: くじょう | 2016年8月23日 (火) 01時31分

九条様

ご返信ありがとうございます。
モチーフが一緒というのは驚愕の事実ですね・・・・・。
しかし、偶然の一致の可能性も有り得るのかなと・・・

これは、「北の宿から」と、ショパンの「ピアノ協奏曲第1番」が似ているとか、類似の話はいろいろ有るようですから、そうした異様な偶然の一致なのかもしれませんね。


本件は、大変不思議だったのでギルギソン氏について調べてみると、彼は西インド諸島(米領プエルトリコ?)で歌われていた古い曲「Tell The Captain」を歌ったりしたと記述がありますので、ひょっとすると米国領等の南国のフォークソングを収集したりしていたのではないかとも思えて来ます。


追伸 ディズニーがポリネシアを舞台にした「モアナと伝説の海」というアニメーションを3月に公開するそうなので、サモア島の曲などが採用されていないか気になります。

投稿: | 2016年8月23日 (火) 16時07分

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