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2012年9月11日 (火)

どんぐりを巡る攻防2

まずBさんが価値4のどんぐりを蓄えているとしましょう。そこにAさんが現れて、それを寄こすように要求する場面を考えることにします。縄文人っぽい名前にする手もあるのですが、どんな名前が縄文人っぽいのかよく分かりませんので、単にA、Bとしておきます。

Aの戦略は「要求する」か「要求しない」かの二つです。「要求しない」と話はそこで終わりでAの利得は0、Bの利得は4となります。これを(0、4)と書くことにします。

Aが「要求する」とBはどうするでしょうか。要求どおりどんぐりを渡してしまうかもしれませんし、拒否するかもしれません。あるいは半分渡す選択肢もあるかもしれませんが、簡単のためにBの戦略は「受諾」と「拒否」の二つだとしましょう。Bが「受諾」するとどんぐりはAに引き渡されますのでAの利得は4、Bの利得は0となります。(4、0)と表記できます。

Aが要求してBが拒否すると事態は風雲急をつげてきます。寄こせ、寄こさんの押し問答の末Aが攻撃をしかけるものとしましょう。Bも応戦して喧嘩になります。喧嘩の結末はケースバイケースでしょうけど、ざっくりいってある確率でAが勝ってどんぐりを手にするでしょうし、またある確率でBが勝ってどんぐりの防衛に成功するでしょう。ただしいずれが勝つにしても怪我のリスクを負うことになります。

ここでは一番簡単な場合としてどちらが勝つ確率も同じで1/2、どちらが勝つにしてもコスト1に相当するダメージを受けるものとしましょう。このとき、Aは確率1/2で価値4のどんぐりを手に入れますので期待利得は4×1/2=2ですが、1のダメージを受けるのでその分を差し引いて利得は2-1=1となります。Bの利得も同様に4×1/2-1=1なので、Aが要求してBが拒否したときの利得は(1、1)になると考えられます。

以上をゲームの木で表現すると

         要求    拒否
      A  →  B  →  (1、1)  
   非要求↓   受諾↓
      (0、4)   (4、0)

となります。また、利得表で書くと

   A \ B | 拒 否  受 諾
  ------------------
    要 求  | 1、1  4、0
    非要求  | 0、4  0、4

となります。ゲームの行方を考えてみると、Aがどんぐりを要求したときにBは受諾するより拒否したほうが得ですから、拒否すると考えられます。Bが拒否するとき、Aは要求しないと利得0で要求すると利得1ですから、Aは要求した方が得です。利得表をみるとAが要求、Bが拒否の組み合わせがナッシュ均衡になっています。ナッシュ均衡というのは、その状態から自分だけ手を変えても利得が増えないような手の組み合わせで、A要求、B拒否の組み合わせから手を変えてもどちらも利得は増えません。それどころかこの場合は手を変えると損をしてしまいます。手を変えると損をするような組み合わせを特に強いナッシュ均衡(strict Nash equilibrium)といいますが、この場合、A要求、B拒否が実現しやすいといえるでしょう。

上で考えたケースではAは常にどんぐりを要求してBがそれを拒否し、かならずどんぐりをめぐる喧嘩が発生すると予想されます。

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