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2012年9月11日 (火)

どんぐりを巡る攻防1

1万2千年前ごろ以降、氷河期が終わって気候が温暖化すると、日本列島に広葉樹の森が広がりました。その中でもクヌギ、コナラやカシといったブナ科の植物は秋になると沢山のどんぐりをつけ、これが縄文時代の人々に利用されるようになりました。縄文人の摂取カロリーの約6割がどんぐりからだったという試算もあり、主食といってもよい存在だったようです。

このどんぐり、タンニンという苦味成分を含んでいるのでそのままでは苦くて食べられません。長時間水につけて虫を殺すとともにタンニンを抜いて乾燥させた状態で保存し、食べるときには石皿とすり石で粉にして土器で煮て食べるというのが縄文の人たちの利用法だったようです。縄文時代の遺跡では竪穴住居の中や外にどんぐりを大量に蓄えた貯蔵穴があったり、谷筋に水にさらしてアク抜きしたと思われる施設が見つかったりしています。秋に大量に採取したどんぐりが特に冬から春にかけての主食になったのでしょう。

この大事などんぐりを誰かに取られてしまうということはなかったのでしょうか。事実として貯蔵穴が沢山見つかるということは、それほど頻繁に取られることはなかったことを示唆しています。しょっちゅう取られてしまうのであれば、苦労して山から集めてわざわざ穴を掘って貯蔵したりはしないでしょうから。

それでも自分ではどんぐりを集める労力をかけずに誰かから奪って済ませようという不心得者が現れる可能性はあるでしょう。あるいはどんぐりを年貢として徴収しようとする支配者が現れるかもしれません。弥生時代以降になって水田稲作が始まると、稲を徴収する支配者が現れるようになりますし、戦国時代には刈田狼藉といって他人の育てた稲を勝手に刈ってしまう行為も行われました。縄文時代にはそういったことはなかったのかもしれませんが、それならばそれはなぜなのかというところに興味がもたれます。以下では、どんぐりを巡る仮想的な争いの場面を考えてゲーム理論的に分析することを試みてみましょう。

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