『ユミちゃんの引っ越し』と同時期の『はじめての僕デス』が並んで再放送されています。一緒に映像が発掘されたようですね。よかったです。エレファントカシマシの宮本さんが歌っていたということで一部で話題になってた曲でもあります。
♪ こんど越してきた僕デス
♪ はじめましてと来ちゃうんだ
近所に引っ越してきたはじめての僕クンが主人公です。勉強はそれほど得意じゃなくて喧嘩も口ほどには強くない。ありがちな平均的な子供だけど、今後よろしくというのが一番です。若井丈児さんのキャラクターが元気に躍動していますね。
「平均点」というのは面接の自己PRとしてはちょっとアピール不足かもしれません。でも、この歌が登場した70年代なかばは子供の世界で「普通」であることが重視されるようになりはじめた時期でした。60年代の「思いこんだら~試練の道を~」みたいにひたすら努力して星をめざす生き方から、まわりと仲良く過ごすことが重視されるようになってきた時期です。そんな時代に目立つことや変わったことをして浮いてしまうことはご法度。「普通」が一番の時代にふさわしい自己アピールが「平均点の子供」だったのでした。
♪ 男はおやじとこの僕で
♪ 女は母さんただ一人
二番では家族構成が明かされます。夫婦と子供一人の三人家族ですね。試みに1976年の平均世帯人員数を調べてみると3.2人でした。三人家族というのはまさしく平均点の一家だと言えるでしょう。
ちなみに1953年には平均人員数が5人で子沢山&三世代同居が一般的だったのが、1960年には平均4人を切って核家族化が進んでいきます。70年代には3.3人ぐらいで横ばいになってますから、三人家族か時代より半歩先に進んでいるでしょうか。2DKの団地ぐらしもちょっと進んでいたかもしれません。
平均世帯人員数が3人を切るのは1990年です。それ以来少子化や単身世帯の増加で世帯人員数は減り続け2010年には2.6人となっています。三人家族が平均点の時代は障子の張替えや縁台将棋の風景と共に去りつつあるようです。
漫画とおやつが大好きな僕クン。この辺はいつの時代も共通する子供心でしょう。ガールフレンドはちょっと見栄を張っているようですが、こづかいの少なさも変わらぬ子供の悩みです。こんな僕クンに親近感を覚える人も多かったのでしょうね。加藤茶さんもカバーして、人気の作品でした。
『はじめての僕デス』
作詞:関沢新一
作曲:中村勝彦
うた:宮本浩次
動画:若井丈児
初回放送:1976年8,9月
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