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2013年3月23日 (土)

【リクエスト曲】『千の花 千の空』(2005年)

先日みんなのうたリクエストで『千の花 千の空』(2005年)をやってました。この作品は2004年12月26日におきたスマトラ島沖地震(M9.3)に伴う巨大津波で亡くなられた方々への鎮魂歌としてつくられたものだそうです。Wikipediaには死者22万人とありますが、日本の震災を経た今、この数字を見て改めて被害の大きさに慄然としてしまいました。

うたの舞台は、とある南の島。紺碧の海と真っ青な空を一人の少女が見つめています。

♪ 風に乗って 空を泳いで
♪ 君の住むこの街に
♪ そっと降り立とう

あれから何年が経ったのでしょうか。少女の瞳は力なく、表情はうつろなままです。心のショックは今なお大きいのでしょう。その少女のもとに「僕」が帰ってきました。

♪ 満開の花びら それが僕だよ
♪ 光なくしかけた 君よ見てごらん

タンポポの種のような姿で地上に降りたった僕。小さな綿帽子は見る間に水面にすっくと立つハスの花に姿を変えました。大きく開かれた少女の瞳の中に、無邪気な子供の頃の僕の姿が蘇ります。にっこり微笑む僕を見つめる少女の瞳に涙が溢れました。

この作品は2005年の初回放送時に録画してますので、震災後見返そうと思ったことがあるのですが、何となく怖くて見ることができなかったんですよね。今回リクエストで放送されたのを機に見返したのですが、この辺りでやはり涙が溢れてきて大泣きしてしまいました。

♪ 千の花 千の空
♪ 儚くも二度とない今を
♪ 一杯に生きていこう

ゆったりしたメロディーと清田さんの透明で伸びやかな歌声が、過去の世界に素直にいざなってくれます。共に遊んだ楽しい日々。かけがえのない日々の記憶が生きる力を次第に蘇らせてくれました。

二番では通り雨が涙を洗い流してくれるのですが、動画担当のいしづかさんはこれを津波のシーンに読み替えます。彼方から押し寄せる黒い雲が世界を、森を、二人を覆い尽くしていきます。2005年の初回放送時には正直ピンとこなかったのですが、今は巨大津波の襲来にしか見えません。

波間に飲まれていく僕。再びお別れの時が来たのです。手を離して見つめ合う二人に沈黙の時が流れます。一瞬うつむいた僕はしかし、満面の笑みを浮かべ千の花びらとなって白龍のように昇天していきました。「さようなら、大事な人。いつも見守っているからね!」

♪ 千の花 千の空
♪ 君の行く 広がる未来に
♪ 希望の花 咲いてる

僕を見送る彼女の瞳はいつしか力を取り戻していました。止まっていた時間が再び流れはじめたのです。一面の希望という名の花畑をかけていく彼女。その姿を僕も見守っていることでしょう。

心の復興とは言うは易く行うは難しいものですが、その一つの形を美しいメロディーと映像で描き出した作品です。震災から2年の時点ではまだまだ受け止め方は様々かもしれません。でも、希望のメッセージは伝わってくる作品だと感じました。

『千の花 千の空』
作詞:かの香織・清田まなみ
作曲:植松伸夫
うた:清田まなみ
編曲:清田まなみ
動画:いしづかあつこ
初回放送:2005年10月

次回の放送は2013年3月30日(土) 20:55-21:00 Eテレ みんなのうたリクエストにて。

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