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2014年1月31日 (金)

【今月のうた】『七つの海』、『日々』

【今月のうた】『七つの海』、『日々』
1月もはやくも今日で終わりですね。今月の二曲の放送も一区切りとなります。どちらもとてもいい曲なので、今後何度も再放送されることになるだろうとは思いますが。

♪ 世界が寝静まったら
♪ 静かな海へと漕ぎ出そう


『七つの海』は始まりのうた、旅立ちのうたですね。ウィキペディアによると七つの海というのは南北大西洋、南北太平洋、インド洋、北極海、南極海をさすそうです。要は世界の海ですが、これらの海をマゼランのような苦難の末に乗り越えて初めて見えてくる地図にない海。誰も知らない自分だけの空に向けて飛び立とうという気宇壮大なうたです。彩さんの静かで淡々とした歌いぶりが、新しい世界を目の前にした気持ちの高揚を逆に伝えてくれています。

♪ まだ何もない海には花を
♪ まだ何もない空には歌を

全体に感情を抑えたなかで、このフレーズだけは情熱的に熱く歌われます。昨日STAP細胞発見が大きく報じられていましたが、こういう大発見のニュースをきくとテンション上がりますね。そういう気持ちの高ぶりがほとばしり出ている部分なのでしょう。新しい年の始めにふさわしい元気の湧いてくる作品です。

♪ おじいさんはおばあさんと目を合わせ 
♪ あまり喋らない
♪ 寄り添ってきた月日の中
♪ ただ幸せばかりじゃなかったんだ


未来に向けて漕ぎだした日々も平穏なものとは限りません。『日々』では喜びとともに葛藤に満ちた歳月が回想されます。

おじいさんとおばあさんが差し向かいでくつろぐ情景は『ふたりは80才』を思い起こさせますね。同じようにふたりの歴史が回想されていくのですが、戦時中以外は幸せに過ごしてきた下條・天地ペアに対し、吉田・山田ペアが描く夫婦の道のりはずっと波乱万丈です。

♪ 泣かせた日 家を出て行った日
♪ 抱き合えた日 背を向けて眠った日

最初に聞いたときは「おいおい」と思ったほど生々しい葛藤の日々。でも、その中で子供を生み、育て、巣立たせていった日々。凸凹の数だけ多くの人々とのつながりが育まれていった日々。そんな日々がロングバージョンでじっくりと歌い上げられていきます。

ちょうどうちの父親が心臓の手術で入院していた時期の放送だったので、おじいさんが身体をこわして寝込むくだりは身につまされました。あの年代の男性は感謝の言葉を口にするのが苦手なんですよね。枕元にたたまれたニット帽。残り少ない時間の中でおじいさんは伝えなけれなならないことを伝えられたのでしょうか…

と思っていたのですが、吉田山田さんのインタビュー記事によると最後はあえて「ありがとう」という言葉を書かなかったそうですね。言ったかもしれないし、あえて言わなかったかもしれない。聞き手の想像の余地を残したということでしょう。

未来を展望し、展望された未来を回想する。うまく構成された二作品でした。これも明日から新しい歴史になっていきます。


『七つの海』
作詞:彩
作曲:彩
うた:彩
編曲:SWAMPS、井上一平
映像:坂本サク
初回放送:2013年12月

『日々』
作詞:吉田山田
作曲:吉田山田
うた:吉田山田
編曲:吉俣 良
映像:山田義孝、白石慶子
初回放送:2013年12月

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