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2014年5月10日 (土)

【軍師官兵衛】第18回 「裏切る理由」

今回は有岡城主荒木村重の決断を巡る回で見応えがありました。有岡城は伊丹駅の目のまえ、伊丹空港からも遠くない交通の要衝です。ここを中心とする摂津が毛利方に寝返ると、京都から播磨への交通が遮断され、播磨が孤立することになります。ここに毛利は調略の手を伸ばしました。

普通はこういう重要なポジションにはプロテクトがかかっているので引き抜けるはずもないのですが、実はプロテクト漏れになっていることを見抜いた安国寺恵瓊の戦略眼は侮れませんね。当てにならない宇喜多直家を口説くより、一度裏切ったら後戻りのできない荒木村重を味方につける方が成功すればより効果的です。

ではなぜプロテクト漏れになっていたのでしょうか? 一つに荒木が「外様」だったということが挙げられます。譜代なら安心かというとそうとも限らないのですが、傾向として譜代の方がグランファルーンテクニックで「一心同体感」を演出しやすいので当てにしやすいとは言えます。逆に外様は疑心暗鬼になりやすい。離間の計のターゲットにもなりやすいので当てにしにくいといえるでしょう。

二つに村重の犯したいくつかの失策があげられます。本願寺との和睦の失敗、神吉城で神吉藤大夫の投降を認めたこと、そして部下が本願寺に兵糧を運び込んでいたこと。和睦の失敗は相手のあることなので荒木の失策とばかりは言い難いですが、それでも見通しの悪さは示しています。神吉藤大夫の投降許可は神吉城の開城を早め一理あるものの信長の方針には背いています。兵糧の運び込みは部下の行動とはいえ明瞭な内通行為です。これだけ重なれば信長とて放置はできないですし、荒木が「お咎めがあるに違いない」と考えても無理はないでしょう。

三つ目は上に関連しますが、村重の家臣が信長を信頼してないっぽい点です。村重自身は信長の目標に共鳴している節があるのですが、家臣たちは信長の苛烈な面にのみ目を向けているようです。部下が率先して信長から離れようとするとき村重がそれを押しとどめることは難しいように感じました。

信長も村重が外様であることは十分認識しつつ、あえて摂津という重要ポジションを任せることで信頼の証としようとしたのかもしれません。和睦の失敗や神吉の投降許可についても重罪としなかったことも、こうした対応でプロテクトをかけたつもりだったともいえます。ただこうした「信長らしくない」対応の仕方がかえって荒木側の疑念を呼んだ側面もあります。いつなんどき手のひらを返されるかもしれない。この恐れが特に荒木家臣団の離反を招いたのでしょう。

こうした事情を見抜いて調略を仕掛けた毛利の手腕は見事です。できればもう一人、光秀あたり引き抜ければ織田方は瓦解したかもしれませんが光秀は外様とはいえこの時点で特に失策があるように見えませんし、家臣の信望も厚かったといいますからそこまでの調略は難しかったでしょうね。ただ荒木村重の離反が2年後にせまる本能寺の変のプレリュードだったような気はします。

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コメント

ドラマは見ていませんが、ロケ地としてわが市が使われているようです。

投稿: るんるん | 2014年5月 9日 (金) 05時27分

そうなんですね。「ゲゲゲの女房」のときも調布近郊のシーンを撮るのに茨城の方がロケ地に使われてましたが、姫路近郊のシーンに岩手まで撮りに行くのは大変です。それだけ当時の雰囲気のあるところを探すのが難しいのでしょう。いつかロケ地巡りをしてみたいものです。

投稿: くじょう | 2014年5月19日 (月) 18時29分

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