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2014年8月30日 (土)

【軍師官兵衛】第34話 「九州出陣」

「そこまでやるか!」

実の妹についで実の母親も人質に差し出す秀吉の捨て身の外交戦術の前に、家康もついに上京して秀吉に臣従する決意をしました。これで断れば家康の方が人でなし呼ばわりされて包囲網を築かれる恐れがあるので止むを得ないでしょう。

東とは戦わず西を攻める。二正面作戦を避ける官兵衛の戦略が実現した形ですが、実の母親を危険に晒す羽目になった秀吉には歓迎されざる作戦だったかもしれません。この辺からも隙間風が吹き込んできそうです。

毛利と提携し長曽我部を制圧して中国・四国を抑えた状況は信長末期よりよほど秀吉に有利で、九州の島津討伐や関東の小田原攻めとか順調に運んだような気もしますが、この後に及んでもまだまだ紙一重だったようですね。特に島津攻めは距離が遠くて時間がかかるため、其の間に徳川、北条、上杉あたりに手を組まれると厄介です。そこに楔を打ち込むのが冒頭の人質作戦ということになります。

もう一つ、毛利とは提携し長曽我部は制圧したとはいえ、配下として九州攻めを命じられるほど心服しているわけではありません。特に島津に攻められて秀吉に救援を求めてきた大友宗麟は毛利とも長年のライバルで、毛利としても積極的に助けるのは難しい相手です。こうした呉越同舟の混成部隊で遠征を行うのは、大変だったろうなと思いますね。大友宗麟を上条恒彦さんが演じてらしたのが個人的には嬉しかったですね。

「命には使い所があります!」

官兵衛と秀吉に不信感を持ち、病を理由として出陣に応じない吉川元春を官兵衛が説得するシーンが後半のクライマックスですが、「天下惣無事」のために命を捨ててくれという話なので元春ならずとも一考を要します。

「天下惣無事」はパックス・トヨトミーナ(豊臣の平和)の側面を持ちます。秀吉や部下たちの私益のために協力するいわれはない。こういう主張が当然ありえます。他方、戦闘の停止は生活を安全にし商業や産業を盛んにする公共財の側面も持ちます。当時の国の単位を超えたグローバル公共財の創出といってもいいかと思いますが、こういう点に着目すれば、十分協力しがいがあるともいえるでしょう。

吉川元春がどのような動機で協力に転じたのか知る由もありませんが、後者を重視したのかもしれません。当時、このような意思決定を迫られた武将たちは少なくなかったことでしょう。秀吉や側近たちが私益追求を控えて公共財創出を進めることができれば、自発的な協力を引き出しやすくなるはずですが、実際どうなるのか次回以降気になるところです。

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