« ヒガンバナ | トップページ | まっくら森風味 »

2014年9月18日 (木)

【再放送曲】『はるかに蝶は』(1971年)




ラジオ第二放送日曜日12:55からの枠で『はるかに蝶は』を再放送してますね。これまで再放送があったか定かではありませんが、発掘曲なので多分43年ぶりの再放送なのでしょう。

本放送を聞いてないので、この曲の存在は長らく知りませんでした。最初の出会いは2010年にキングレコードのLP「みんなのうたVOL.8」を聞いたときです。朗々とした倍賞千恵子さんの歌声に「みんなのうたにこんな曲があったのか!」と衝撃を受けたのを今でも覚えています。

♪ はるかな海の かなたから
♪ 春をひらひら 舞いながら

か な た〜から〜という二拍三連がいかにもゆったりと蝶が舞うさまを表しているようです。由紀さおりさんの歌は尺の関係でレコードより少し速めですが、それでもとても丁寧に歌ってらっしゃるところがさすがですね。

海を渡る蝶というとアサギマダラが思い出されます。大井文雄さんのアニメーションもアサギマダラをイメージされているように見えます(http://www.oifumio.com/animation02.html)
。ただアサギマダラが沖縄や台湾に向かって旅をするのは秋のようですから、やはりこれは幻の蝶だというべきかもしれません。

♪ かすかに光る地平線
♪ まだ見ぬ国を夢見つつ


2番では蝶に視点が変わります。まだ見ぬ国を目指して懸命に嵐の夜を飛ぶ、かよわい蝶の姿が心を打ちます。2番から入るフルートのオブリガートも泣かせますね。

韃靼海峡を渡っていった安西冬衛さんの蝶にはあまり悲壮感を感じません。未知を目指して羽ばたく姿はむしろ、太陽を目指して飛び立ったイカロスの姿を思い起こさせます。そう、作詞者の片岡輝(ひかる)さんは『勇気一つを友にして』の作者でもあるんですね。イカロスは未知への憧れを抱いて飛翔しました。挑戦の結末は残念なものでしたが、この蝶の運命はどうなるのでしょうか。気になります。

♪ ある朝蝶は 陸を見る
♪ いのちのかぎり はばたいて


4小節の弦とエレクトーンの間奏ののち、ついに蝶の前に陸が見えてきました。限られた尺の中での巧みな場面転換ですね。あと一息です。最後の力をふりしぼって蝶は羽ばたきました。春の香りを大地に振りまきながら。

蝶の姿は次第に透き通っていきます。 虹色の光が煌めくなかまぼろしの蝶は静かに光の中に溶け込んでいきました。この土地に春を伝えるという使命を無事に果たして…

♪ そのとき大地 花ひらき
♪ まぼろしの蝶は よみがえる


この部分は放送では省かれていますが、テキストとレコードには収められています。生き生きと蘇った春の野山にまぼろしの蝶の命が受け継がれているという結末は、イカロスの勇気を受け継いだ後世の人々の姿にも通じるものがあります。片岡さんがずっと追求されていたテーマなのかもしれませんね。

『はるかに蝶は』
作詞:片岡輝
作曲:小川寛興
うた:由紀さおり
動画:大井文雄(不二アート)
初回放送:1971年4月

|

« ヒガンバナ | トップページ | まっくら森風味 »

コメント

とりあえず、「あ」から「お」まで見ました。
僕が歌えそうな曲は『大きなリンゴの木の下で』だけでした。

投稿: るんるん | 2014年10月 1日 (水) 14時18分

あっ、カラオケの曲はここにコメントするのじゃなかったか!
では、引き続き『はるかに蝶は』について。
由紀さおりさんも倍賞千恵子さんも素晴らしい歌手で甲乙つけがたいです。
というか、どっちも最高です❤♪

投稿: るんるん | 2014年10月 1日 (水) 14時22分

聞いてわかるのと歌えるのとではだいぶ違いますからねえ。あ〜おで歌詞を見れば歌える曲は50ぐらいでしょうか。歌詞を見ないでも歌えるのは『赤い花白い花』『赤鬼と青鬼のタンゴ』『アスタルエゴ』など20曲ぐらいですね。

投稿: くじょう | 2014年10月 3日 (金) 17時16分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121873/60337433

この記事へのトラックバック一覧です: 【再放送曲】『はるかに蝶は』(1971年):

« ヒガンバナ | トップページ | まっくら森風味 »