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2014年10月 4日 (土)

【軍師官兵衛】第39回 「跡を継ぐ者」

茶々姫が懐妊して秀吉に跡取りが生まれることになりました。これをピンチと捉え、すっぱりと家督を長政に譲り、自らは隠居を図る官兵衛の嗅覚が鋭いですね。

守るべきものができると危険に敏感になる…まではわかりますが、その秀吉の猜疑心が自らに向く可能性を察知し、さらにそれを未然に防ぐ手を果断に打てるのはやはり並ではありません。小寺政職に子ができたときに黒田職隆が官兵衛に家督を譲った前例があったことが幸いしてますが、小寺政職の優柔不断に右往左往していたころとは隔世の感がありますね。

秀吉自身は官兵衛を排するより用い続けようとしますが、有能すぎる故の信頼と猜疑のバランスはどちらに転んでもおかしくないものではあったでしょう。茶々姫を揶揄する落首に秀吉が過剰反応するのを諌めたときも、秀吉がどう反応するかは紙一重だったと思います。秀吉なきあとの鶴松の運命についてよくお考えを…という官兵衛の訴えが功を奏しましたのは幸いでした。

守るべきものの運命を考えよというのが一番有効だろうという官兵衛の読みも相変わらず鮮やかです。相手の立場に立って相手にとっての最善手を考える。説得というものはかくありたいものです。この褒美というわけでもないでしょうが、秀吉は長政の家督継承を認め官兵衛は個人の資格で秀吉に使えることとなりました。こうして舞台はようやく初回の冒頭、小田原攻めのシーンにうつっていきます。

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