単ピラミッドモデル2
フォロワー5人が社会的ジレンマゲームを行っているということは、全員が協力したときの方が全員が非協力の場合に比べて全員の利得が高くなることを意味します。
ただし、協力にはコストが必要と想定されますので5人のうち何人かが協力して、残りが非協力の場合には非協力者の利得の方が協力者よりも高くなります。
このような場合、最初全員が協力していたとしても、段々非協力が増えてくることが予想されますし、実際にゲームを行っても段々非協力が増えて協力者は減ってしまいます。
ここでリーダーが協力者に褒美を出したり非協力者に罰を与えたりする行動をとるますと、協力者の利得の方が非協力者の利得よりも高くなって協力が維持されると期待できるでしょう。
問題は褒美を出すにしても罰を与えるにしても、リーダー側にそれなりのコストが発生する点です。褒美は直接的にリーダーの持ち出しになりますし罰を与えるにしても手間と方法によっては費用がかかります。このコストをリーダーが厭うと褒美や罰が段々提供されなくなり、フォロワーも段々協力をしなくなってしまうと予想できます。
この問題を避けるにはこの種のコストを厭わない人にリーダーをやってもらうか、コストを厭わないようにリーダーを教育するのが一つの方法でしょう。もう一つの方法はフォロワーが協力して全体の利得が増えるとリーダーの利得も増えるような状況を設定することです。フォロワーの合計利得とリーダーの利得がリンクしていれば、リーダーは適切に褒美や罰を与えることで自らの利得を増やせる可能性があります。以下ではこの種の利得の結合(利得リンケージ)が存在することを仮定したいと思います。
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