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2015年4月11日 (土)

【再放送曲】『アスタ・ルエゴ ~さよなら月の猫~』(1977年)

【再放送曲】『アスタ・ルエゴ ~さよなら月の猫~』(1977年)

今月は『アスタ・ルエゴ』を再放送しています。中2のときの曲ですが、実に衝撃的な作品でした。研ナオコさんの歌唱と猫の首がコロコロ転がったり、あくびした男の子の顔が裏返ったりする福島アニメに度肝を抜かれたのを昨日のように思い出します。

最近も2011年の70年代セレクションで放送してましたし、ユーキャンのDVDにも入ってますので、めちゃくちゃ懐かしいという感じではありません。それでもイントロを聞くと中学生時代に帰った気分になれますね。

♪ アスタ・ルエゴ さよなら月の猫
♪ アスタ・ルエゴ また会う日まで


アスタ・ルエゴ(Hasta Luego)はスペイン語で「さよなら」の意味です。英語だと see you soon になるそうなので、永遠の別れというより「それじゃ また」ぐらいのニュアンスでしょうか。

とはいえ相手は突然舞い降りた月の猫です。本当にまた会える保証はないでしょう。もう会えないかもしれないと思いつつ、あえて「それじゃ また」と呼びかけるところが切ないですね。原曲の仏語歌詞では「アスタ・ルエゴ 神が望むなら」となっています(http://lyricstranslate.com/en/hasta-luego-see-you-soon.html 英訳つき)。巡り合う運命ならば、また会おう。そんな意味合いかもしれません。

♪ 月の雫 まき散らし
♪ 銀河色の クシャミした


銀河色のクシャミってどんなクシャミなんでしょうね。作詞の加藤直さんは1977年のテキストに、月の猫との出会いをこう書いてらっしゃいます。

「ずーっと以前、一度だけ、月の猫の訪問をうけたことがあるー、と今でも信じている。」

月のものすごく青く光る夜、窓を叩いて飛び込んできた月の猫。一人孤独な夜を過ごしてきた「ボク」は意気投合して、月を見ながら大笑い。いつしか一人と一匹は踊り狂って大の仲良しになっていた…

「あんな淋しい夜が、あんなに楽しい想い出になるなんてー。」

福島さんは、この奇妙で楽しい出会いを見事に映像にされています。このアニメーション、今回の再放送とDVDや70年代セレクションとで違っているという指摘がネットにありましたので確認してみました。確かにだいぶ違いますね。DVD版とセレクション版は多分同じものですが、今回の再放送版の方が多少色使いが暗めになっています。その他、次の点が違っています。

・「うかれたご機嫌猫」のバックが違う。再放送の方がよりサイケデリック。
・二回目の「月の雫まき散らし」でDVD版では猫が虹色になるが、再放送版は星雲(?)模様になっている。
・「音のない夢を見た」で男の子の顔が裏返る前、再放送版では猫もあくびをしている。再放送版では部屋の床が宇宙風。壁紙の色が違い模様の丸の数も再放送版が多い。
・間奏の「猫の首コロコロ」のあと、再放送版では首が何回かバウンドしたあとビヨヨーンとなって、猫が目を回している。
・三回目の「月の雫まき散らし」での猫の模様も違う。
・二回目の「音のない夢を見た」でDVD版は少年と猫が順に互い違いに横になるのに対して、再放送版は少年と猫がラジオ体操風に反動をつけて一緒に飛び上がり、そのまま同じ向きに横になる。
・ラストの空の色と建物の色が違う。

総じて再放送版の方が手の込んだつくりになっていて、おそらくDVD版が先で再放送版があとの作品なのでしょう。途中で変更になったのか、あるいは『ドラキュラのうた』みたいに再放送時(1980年と1983年)に手直しされたのかもしれません。いずれにしても単なる手直しの域を越えて作り直すぐらいの勢いで、福島さんの意気込みとこの作品への思い入れが感じられますね。

♪ アスタ・ルエゴ さよなら月の猫
♪ アスタ・ルエゴ また会う日まで

原曲はフランスの歌手ユーグ・オーフレイが唄って大ヒットした『Hasta Luego』です。「Hasta Luego 、Hugues Aufray」で検索すると動画を見ることができます。ラテン風のパンチの効いた歌唱ですね。夜の子供達を去らせ、忘却の強風を見つけよ。原曲には月の猫は登場しません。力強く青春との訣別を告げるうたが、加藤さんと福島さんの手で少年の日の一期一会の出会いを愛おしむ作品に生まれ変わりました。

『アスタ・ルエゴ ~さよなら月の猫~』
うた:研ナオコ
作詞:加藤直
作曲:クロード・モルガン
編曲:所太郎
映像:福島治
初回放送:1977年2月、3月

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コメント

以前「冬の日の子守歌」のご記事にコメントいたした者です。
クロード・モルガンということは、あの「オリーブの首飾り」を作曲したのと同じ人がこの「アスタ・ルエゴ」も作曲しているということですね。ブログ主様もここまでは知見が及ばなかったでしょう。言われて聴き比べてみればなるほど!似てます。 もっとも「オリーブの首飾り」の作者はアフガニスタンのアーマッド・ザヒルであるという説もあって混然としているようですが。
フランス語歌詞のほうはユーグ・オフレイ自身が(ヴリーヌ・バギーという二人組の作詞家との共作ということですが)書いているんですね。歌手が自らの歌う歌の制作にも関与するのって、作者がその歌に対する責任を持つことですから、いっそう良い歌が出来上がるものだと思いませんか?私の勝手な思い込みかもしれませんが。

投稿: 日本唯一のゼッキーノ・ドーロおたく | 2015年4月19日 (日) 03時45分

日本唯一のゼッキーノ・ドーロおたくさま

お久しぶりです。『冬の日の子守唄』ではお世話になりました。今回もコメントありがとうございます。クロード・モルガンさんは『オリーブの首飾り(El Bimbo)』の作曲者のClaude Morganさんで良かったんですね。ウィキペディアでClaude Morganを調べても『Hasta Luego』の曲名が見当たらなくて自信が持てませんでした。確かにチャラララララ〜♪ という曲想と、月のしずくまーきちらし〜♪はよく似てますね。貴重な情報ありがとうございました。原曲の作詞にはオーフレイさん自身が関わっているのですね。こちらのご指摘もありがとうございます。作者自身が歌うことでうたの世界をより力強く表現できるのでしょう。また何かお気付きのことがありましたらお教えください。よろしくお願いします。

投稿: くじょう | 2015年4月22日 (水) 08時52分

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