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2016年2月19日 (金)

【発掘曲】『カッパのクィクォクァ』(1975年)

【発掘曲】『カッパのクィクォクァ』(1975年)

『七回半』といっしょに『カッパのクィクォクァ』も再放送されてました。1975年の作品なので残っていても不思議ではなかったのですが、発掘プロジェクトの対象になっていました。

小学校を卒業する時期の放送でバタバタしていたせいか、このストーリー展開に聞き覚えがありません。ヤマトの終盤はリアルタイムでしっかり見てたんですけどね。

♪ 冒険ずきの カッパのボクたち
♪ 三人きょうだい クィクォクァ


カッパの三きょうだいが天気にさそわれて陸(おか)にいくお話です。クィとクァが男の子でクォが女の子ですね。ベム、ベラ、ベロみたいです。「今日こそ陸へと」とありますから、前から行ってみたかったのでしょう。はずむような明るいメロディがうきうきした気分を表現しています。陸に上がる動作の素早いこと! 目にもとまらぬ早技で上陸したのですが‥

♪ お皿が乾くよ クィ
♪ コウラがヒリヒリ クォ
♪ 水かきひび割れ クァ


水中の生活に適応したカッパたちは乾燥に弱いのですね。言われてみればその通りです。久里さんのキャラクターたちもひび割れが痛そうです。ここできょうだいたちはおばあちゃんの忠告を思い出しました。

♪ 陸にいくときゃ
♪ 何かを着なきゃいけないよ


なるほど、理にかなったアドバイスですね。そんなわけできょうだいたちは、はらまきと帽子と毛糸のパンツを身につけました。う〜ん。なんか妙です。乾いてヒリヒリしているお皿やコウラや水かきがカバーされてません。せめてはらまきと帽子は逆でないと‥と思ったのですが、きょうだいたちは「これでいいんだよ」と満足そうです。

作曲のパンズッティ(Dante Panzuti)さんは『カンタカナリート 〜風よりもかろやかに〜』も作曲者でもあります。こちらも発掘されてますので、早く見てみたいですね。『カッパ』の方は1975年当時のテキストに「イタリアで賞をとった」と書いてありました。すわ、ゼッキーノ・ドーロかと思って調べてみたのですが、どうも見当たりません。何の賞だったのでしょう。「この曲にカッパの3兄弟の詞をつけてみました」とありますから、もとはカッパの歌ではなかったようですね。

♪ 人間世界へ来てみた ボクたち
♪ カッパのきょうだい クィクォクァ


2番で人間世界の探検を始めたカッパたちは真冬の寒さに直面します。お天気は最高だったはずなのに、と思っているとアニメの背景はいつの間にか寒そうな冬空に。久里さんも芸が細かいですね。凍えたきょうだいたちは綿入れ上着やきつねのえり巻きを身につけます。こりゃまたあったかそうです。これで一件落着かと思いきや衝撃の展開が待っていました。

♪ そんなもの着ると
♪ 人間になっちゃうよ


おばあちゃんの戒めを思い出したきょうだいたちは、たちまち衣服を脱ぎ捨ててカッパの姿に戻ってしまいました。「はやく人間になりたい」とか思わないのですね。最初に見たときはあっけに取られてしまった結末です。

何か着ろといったり着るなといったり。一見矛盾する指示ですが、言わんとすることは中庸でしょうか。こんなアドバイスが出来る所が年の功なのでしょう。天気の急変や綿入れや襟巻きをどこで手に入れたのかとか、おばあちゃんが指示を出しているのはいつのことなのかとか、突っ込みどころは多々あるのですが、そんなことが気になるのが人間の悪い所です。気にせず楽しく歌いましょう。カッパがいいんだよ♪

『カッパのクィクォクァ』
うた:一谷伸江、デューク・エイセス
作詞:にし二郎
作曲:パンズッティ
編曲:玉木宏樹
動画:久里洋二
初回放送:1975年2、3月

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コメント

この歌、正に久し振りでした。当時としては喜劇女優の一谷伸江が出演も珍しいし、歌も陸へ上がった三兄弟カッパが、手袋などを着用、やがては上着などを着用したら、祖母カッパの言葉を思い出して「人間はいやだよ」「カッパがいい」という、意外な結末でした。

また映像を手掛けた久里洋二も、1961年8・9月放送の「プンプンポルカ」を手始めに、20曲以上も映像を手掛けながら、本作を最後に「みんなのうた」から離れました。前年にはこれまた常連の中原収一も「音のシンフォニー」で「みんなのうた」を去り、一時代が終わった感じです。その後久里は、2014年放送の「われわれは宇宙人だ!」で40年弱振りに再登場しましたが、何となく往年の久里作品とはイメージが違います。

写真にもあるテキストは、私は2回目の自己買いであり、この時は他にこんな曲がありました。

本放送
*春のゆくえ(桜田淳子唯一の歌)
*動物園へ行こう(ムッシュ最後の出演曲)
*いかつり唄(五木ひろし唯一の歌)
再放送
*わたりどり(最近再放送、画像も出た)
*今日の日はさようなら(再放送し、最近画像も出た)
*想い出のグリーングラス(最近やってたな)
これが発表された時は「今日の日~」が目当てでした。日比谷公園らしき場所とある駅(原宿駅?)での別れの映像が焼きついての状態でしたから。でも「春のゆくえ」の紹介、それも桜田淳子が担当となった事で、一気に忘れられない時期でした。

これから1年後、「春のゆくえ」を除く本放送曲が全て再放送され(本曲はこの時以来)、私にとっては忌々しい状態でした。

投稿: マーチャン3 | 2016年2月20日 (土) 00時00分

『春のゆくえ』は1曲目にあがってますし、このクールの目玉だったのでしょうね。その割に映像も音声も失われてしまって残念でした。音声はようやく発掘されたので再放送を待ちたいと思います。最近の発掘状況を見ると映像もどこかで残ってるんじゃないでしょうかねえ。

投稿: くじょう | 2016年2月20日 (土) 22時27分

この時期はまだ映像の無い曲があり、ムッシュの「動物園へ行こう」もまだ映像は無いです。「春のゆくえ」に至っては音声すら無い状態が続き、最近になってようやく良音質が提供された程度ですから。
(それでも聞ける事は聞けますから)

久里が映像を手掛けた「みんなのうた」曲でも、延べ38曲(それでもスゴい)ありますが、その大半は無いですから。最近再放送された「ママとゴーゴー」もその内ですからね。

投稿: マーチャン3 | 2016年2月21日 (日) 00時09分

確かに映像はハードルが高いですからね。まずは音声で再放送されるのを期待しましょう。

投稿: くじょう | 2016年2月21日 (日) 17時08分

いやー、探しましたよ。大変でした。
でも出てくるものはちゃんと出てくるものです。
http://www2.jasrac.or.jp/eJwid/main.jsp?trxID=F20101&WORKS_CD=0S188295&subSessionID=001&subSession=start
作者はダンパ(ダンテ・パンツーティ)さんとマクギラール(ヴィルジーリョ・パンツーティ)さんですね。「わが名はカウボーイ」なども手掛けているお二人です。ご兄弟なのでしょうか。

ただ、これ以上の詳しい情報が入手できなかったのが遺憾です。ことにイタリア語の音源がまったく見つからなかったのは残念としか申しようがありません。

ところで、原題にあるNonna Paperaをネット検索すると、「ドナルドダックのおばあちゃん(エルヴィラ)」の情報が真っ先に候補に登場します。ドナルドダックとは、説明するまでもない、あのディズニー作品でおなじみの白いアヒルの青年です。
また、この歌でカッパの名前になっている「クィ・クォ・クァ」ですが、こちらはドナルドダックの甥にあたる三つ子のアヒル「ヒューイ、デューイ、ルーイ」のイタリア語版での名前「Qui, Quo, Qua」と一致します。
ということは、この『カッパのクィクォクァ』のオリジナルは、もしかするともともとドナルドダックや彼の親族が登場するディズニーアニメのために書かれたものなのかもしれません(あくまでイタリア語圏内向けの版のみということでしょうが)。
イタリア語版の歌詞や音源が見つかりませんでしたのであくまでも予想の域を出ませんが、「みんなのうた」にしてはちょっと意外な出自の歌である可能性が見え隠れしているのは興味をそそられるところです。

投稿: 日本唯一のゼッキーノ・ドーロおたく | 2016年2月24日 (水) 19時49分

日本唯一のゼッキーノ・ドーロおたくさま

どうも情報ありがとうございました。
もとのタイトルは 「SALVADANAI DI NONNA PAPERA I 」というのですね。「エルヴィラおばあさんの貯金箱」とでも訳すのかもしれません。JASRACのページでは確認できなかったのですが、やはりゼッキーノ・ドーロの受賞作品だったのでしょうか。

「Qui, Quo, Qua」で検索すると確かにアヒルの三きょうだいが大量にヒットしますね。「アヒルのクィ クォ クァ」だったのがカッパになったのが真相なのでしょう。ディズニーがらみだとすると原曲がネットで見つからないのもわかる気がします。今回の再放送も結構大変だったのかもしれませんね。興味深い情報、ありがとうございました!

投稿: くじょう | 2016年2月25日 (木) 18時52分

ブログ主様
「I SALVADANAI DI NONNA PAPERA」はゼッキーノ・ドーロの曲ではございません。ゼッキーノ・ドーロでは基本的にテレビや映画などで放送済みの歌は取り上げませんし、ゼッキーノ・ドーロの出場曲が何かの番組(ゼッキーノ・ドーロやその関連番組を除く)のテーマ曲として用いられることもありませんので、この歌も(ディズニー関係だとすると)同様の理由でゼッキーノ・ドーロの出場曲ではないと言えます。また、私自身がゼッキーノ・ドーロのすべての楽曲を知っているため(伊達にオタクは名乗っておりません)、この歌がゼッキーノ・ドーロの曲ではないことを言明できることは申し上げるまでもないことです。
ただ、作者のダンパさんは当時ゼッキーノ・ドーロに頻繁に曲を提供していましたし、「I SALVADANAI DI NONNA PAPERA」そのものも子供向けに書かれた作品とみなすのが妥当でしょうから、ゼッキーノ・ドーロのような雰囲気を醸し出しているのはむしろ当然ともいえます。

投稿: 日本唯一のゼッキーノ・ドーロおたく | 2016年2月28日 (日) 23時47分

日本唯一のゼッキーノ・ドーロおたくさま

追加情報ありがとうございます。なるほど、ゼッキーノ・ドーロの楽曲ではないのですね。ゼッキーノ・ドーロの出場原則についても了解しました。優良楽曲の発掘を目指したコンテストという位置付けなのでしょう。「カッパ」がどこで賞をとったのか再び謎となりましたが、出自ともどもまた調べてみたいと思います。

投稿: くじょう | 2016年3月 1日 (火) 17時53分

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