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2019年1月12日 (土)

【再放送曲】『ミシェルおばさん』(1963年)

1963年の初回放送以来、55年ぶりに再放送されています。いくつかのレコードには収録されていて、定番に近い曲なのですが、空也さんのブログによると再放送されるのは初めてなんですね。ちょっと意外な感じがします。映像は未発掘でラジオのみの放送ですが、水星社テキスト第3巻に画像が載ってましたので、映像の雰囲気を伺うことができます。



♪ 「わたしのかわいい ミケちゃんが
♪ けさから どこかへ 行っちゃった」


サザエさんが裸足で駆け出すより6年早く、裸足で表に飛び出したご婦人がいました。その名は「ミシェルおばさん」。お魚くわえたドラねこではなくて、可愛いミケちゃんが行方不明になってしまったのです。さあ、大変!



♪ 「おばさんぼくが ミケちゃんを
♪ みつけて来たらば 何くれる」


隣に住んでるタロウくんがミケちゃん探しを買って出てくれました。なんて親切なんでしょう、と思ったら、イタズラ者のタロウくんがミケちゃんを隠していたことが明らかになります。実は身代金目当ての犯行だったのですね。日本人風の名前の割には金髪で結構よい身なりのタロウくんですが、よく見ると確かにちょっといじわるそうな表情をしています。果たしてミシェルおばさんとミケちゃんの運命はどうなるのでしょう?


(画像は水星社テキスト第3巻より)

ここで間奏に乗せてミケちゃんの鳴き声が入ります。レコードでは1分半ほどの短い曲なので、間奏を入れないと間がもたないのでしょう。水星社の画像にはミケちゃんの姿が見えないのが残念ですね。ミシェルおばさんが2次元なのにタロウくんが3次元っぽいのも面白いです。タロウくんはグループクレアードが制作した人形を使って、パリ(?)の街中を動き回れるようになっていたのでしょう。

♪ 「みつけてくれたら ミケちゃんの
♪ ミルクの残りをあげましょう」


ミシェルおばさんからの回答が寄せられました。なんと条件は「ミケちゃんのミルクの残り」です。お腹をこわしそうな成功報酬ですね。日頃からミシェルおばさんのことをケチだケチだと思っていたタロウくんは、ここぞとばかりに叫びました。

♪ ミシェルおばさんのケチン坊!

まあ、これだけのお話です。いったいどんな教訓やテーマがあるのか、さっぱりわかりませんが、私が最初にこの歌を聞いたレコードでは、続けて次のような台詞が入ってました。

『ミケちゃんはもう
三味線になっちゃったよう』


最初にこれを聞いたときは愕然としましたね。なんだこれは!? 隣人の飼い猫を三味線にしちゃうとは!みんなのうたにしては残酷過ぎないかetc。今回の再放送では、この台詞は入ってなかったので一安心したのですが、手元の『ミシェルおばさん』が収録された4つのレコードのうち2つはこの三味線バージョンになっています。また、こちらの小学校では、三味線バージョンを全校の音楽集会で合唱してたそうです。給食の時間に流れていたという証言もありますね。

そんなわけで三味線バージョンも結構流布していたことが分かります。ひどい結末ではあるのですが「あまりケチすぎると大事な物を失うことになる」という教訓があると言えばあるので、こちらも歌われていたのかもしれません。まあ、別に教訓などなくってもいいんですけどね。

そんな訳で元々どんな曲だったのか気になったので、原曲を少し調べてみました。こちらのサイトにフランス語の歌詞と訳が載っています。それによるとミシェルおばさんのお相手はタロウくんではなくてリュストゥクルじいさんでした。難しい名前ですね。リュストゥクルじいさんもネコを返すお礼をミシェルおばさんに要求します。ミシェルおばさんの返事は…

『ネコを返してくれたら
あなたにキスしてあげましょう』


元はそういう話だったんですね。このままではみんなのうたでは使えないので、石井好子さんか寺島尚彦さんが「ミルクの残り」ということにされたのでしょう。リュストゥクルじいさんはどうしたかというと、この申し出を蹴ってしまいます。

『ウサギの代(しろ)に
あんたのネコは売っちまったよ!』


ミシェルおばさんとキスなんかしたくなかったようです。何か金目のものが欲しかったのでしょうか。ネコの運命としては三味線に近いですね。『あんたのネコは縛り首にしちまったよ』というバージョンもあるようです。いずれにしても三味線バージョンの方が原曲に近いのですが、みんなのうたバージョンでは、あんまりなのでこの部分もカットされたというのが真相なのでしょう。

『ミシェルおばさん』
作詞:石井好子/寺島尚彦
作曲:フランス童謡
編曲:寺島尚彦
うた:石井好子、ダーク・ダックス
映像人形:グループクレアード
初回放送:1963年8月、9月

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コメント

当時はこういう映像だったんですな。ミシェルおばさんがイラスト風なのに対し、タロウ君は人形劇風とは。

お礼貰いたさにわざとミケを隠したタロウ君に対し、報酬は「ミケの残りのミルク」、役者が一枚上とはこの事ですな。

ところで今日、天地総子が亡くなりました。「みんなのうた」では「アイスクリームのうた」(最近再放送した)を皮切りに、22曲も歌ってました。でも映像付きは最近のものばかりで、再放送した「春を呼ぶマーチ」や「風と光と」(これよかった)など大半が映像無しです。

さようなら、天地さん。

投稿: マーチャン4 | 2019年1月12日 (土) 19時34分

マーチャン4さん

画像だけみるとタロウくんの方が主人公みたいですよね。ミシェルおばさんの人形もあったのかもしれないのですが、水星社のテキストでは確認できませんでした。

天地総子さんはまだお若かったと思うのに残念です。みんなのうた三昧で1時間ほどお話されてたときの元気なお声が忘れられません。NHKなのでCMソングの紹介に苦労されてたのも微笑ましかったです。『アイスクリームの歌』とか『何かいいことあるらしい』などの明るい歌声が印象的です。『ふたりは80才』も好きでしたが、80才までとはいかなかったのが惜しまれます。ペギーさんや熊倉さんたちと再会されていることでしょう。ご冥福をお祈りします。

投稿: くじょう | 2019年1月12日 (土) 20時40分

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