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2021年4月17日 (土)

そして「みんなのうた」は生まれた ♯4

そして「みんなのうた」は生まれた♯4は『WAになっておどろう 〜イレ アイエ〜』(1997)でした。みんなのうた、最初のロングバージョン曲ですね。『チュンチュンワールド 〜おげんきたいそう〜』(1994)のようなセミロング曲は一部あったものの、5分の番組枠で1曲だけ流すフルロングバージョンはこの曲が初めてでした。

最初にこの曲を聴いたときの衝撃は今でも忘れられません。いい曲だけど、妙に長いな、まだ続くんだとか思いつつ聴いていたのですが、曲が終わると同時に番組のエンドロールが出て唖然としてしまいました。「1曲! 1曲しかやんないんだ! こんなことがあるんだ!!」 ある意味、天地がひっくり返るような衝撃を受けたものです。今でこそロングバージョンは当たり前で、当時もつづいて『さとうきび畑』(1997)、『雨のちスペシャル』(1997)、『僕は君の涙』(1998)といったロングの名曲が次々に放送されて、すっかりお馴染みになったものの、やっぱり最初の1曲の衝撃は大きかったですね。

今日の番組ではロングバージョンの出現について、当時のプロデューサーの中原恵一郎さんが、CDの登場で4分を越えるシングル曲が普通になり、みんなのうたでも枠をいっぱいに使ったスケールの大きい曲を提供したかったといったことを話してらっしゃいました。CDの普及がロングバージョン出現の背景にあったのですね。初めて知りました。

そういうタイミングで角松敏生さん(長万部太郎さん)が、みんなのうたに関心を持たれているという話があって、中原さんと話をされるうちに「現代版ブラジリアンビートの盆踊り」曲を作ろうという構想が固まってきたようです。ブラジリアンビートの盆踊り! 確かにそんな曲といえるでしょうね。

テキストに踊りの振り付けが載ったのもこの曲が最初のようです。長野オリンピックの閉会式で皆が踊っていたのはなかなか感動的でした。その後、『パプリカ』(2019)に至る「踊るみんなのうた」の系譜はこの曲に始まると言ってもいいでしょう。

 ♪ 苦しいことがあればもうすぐ
 ♪ 楽しいことがあるから信じてみよう

角松敏生さんが、いじめにあっていたころの自分に贈るつもりで書いたという歌詞は、今改めて聴いても心に響くものがありますね。苦しいことがあればもうすぐ、楽しいことがある…、そういってみんなで踊れたら、本当にいいのにな。今日、世界の人がマスクもしないで楽しそうに踊る映像を見ながら痛感してしまいました。

この「踊れない時代」のみんなのうたとして制作されたのが『こんど、君と』(2021)だと言えそうです。次回4月24日14時〜放送の♯5は『こんど、君と』の制作秘話が語られます。期待して待たせてもらいましょう。

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コメント

当時、船の出てくるオープニングがロングバージョンでした。
他にも1997年12月の「E-WaH-OH」もロングバージョンのオープニングでした。

投稿: うい | 2021年4月18日 (日) 16時39分

チュンチュンワールドのキャラクター原案を務めた佐野元さんが今年の2月に亡くなられました。ご冥福をお祈りします。

投稿: | 2022年8月 9日 (火) 12時11分

佐野元さんが今年の2月に亡くなられたのは、どこで知ったのですか?

投稿: うい | 2022年8月10日 (水) 16時56分

ういさんへ

こちらのブログにて確認しました
https://blog.inmycab.com/61290/
「日々の雑感〜ゲンちゃんが逝ってしまった〜気づく我が身の現在と実際」より

投稿: | 2022年8月11日 (木) 19時06分

それは、船の出てくるオープニングの15秒バージョンのことですね。

投稿: | 2022年8月12日 (金) 18時18分

「ショボクジラ・チビコブラ」「あいつのハンググライダー」

・カッパが泳いでいる
・カッパが池で釣りをしている
・カッパが大きな葉っぱを傘がわりにしている
・カッパが頭にハスを乗せている

投稿: | 2025年5月17日 (土) 09時59分

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